第百十一話 神に守られし星
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第百十一話 神に守られし星
バルマー軍の迎撃はなかった。それでだ。
ロンド=ベルは順調に進めた。そうしてだ。
イルイがだ。一同に話した。
「いよいよです」
「バルマー本星かあ」
「いよいよなんだな」
「そこにか」
「辿り着くんだな」
「思えば色々あったな」
皆これまでのバルマーとのことを思い出して話す。
「あの連中ともな」
「バルマー戦役もあったし」
「それからも何だかんだで戦ってきたし」
「本当に長い戦いだったよな」
「奴等にとっても俺達にとっても」
「それでもな」
こうだ。さらに話していくのだった。
「それが終わるんだな」
「話し合いで解決できてばな」
「それでいいよな」
「だよなあ」
誰もがそれを期待していた。
「それで終われば」
「それに越したことないよな」
「けれど問題は」
ここでだ。イルイが暗い顔で言う。
「霊帝ルアフが。私たちの話を聞いてくれるかどうか」
「それなのね」
それを聞いてだ。クスハが言った。
「問題なのは」
「はい、一体どういった人なのか」
イルイはそのことを話すのだった。
「一切が不明です」
「私もだ」
マーグもここで話す。
「霊帝の姿を見たことは殆どない」
「私は一度もありません」
ロゼに至ってはそうだった。
「私の様な者が会える存在ではありませんでした」
「えっ、ロゼさんでもか!?」
それを聞いて驚きの声をあげたのは甲児だった。
「霊帝に会えなかったってのかよ」
「はい、そうです」
「驚いたな、それは」
神宮寺もそれには驚きを隠せなかった。
「方面軍の副司令官でもか」
「私達は元々帝国では異端だったからだ」
それでだとだ。マーグは話すのだった。
「十二支族の一家の長でもあってもだ。それならばだ」
「中々会えないってのか」
「じゃあ霊帝ってのは」
「相当偉い存在なんだな」
「帝国ではまさに神だ」
そうだとだ。マーグは仲間達に話す。
「唯一にして絶対の存在だ」
「じゃあ生き神様なのか」
こう考えたのは闘志也だ。
「そういう存在なんだな」
「否定はしない」
これがマーグの返答だった。
「地球では。キリスト教という宗教があるな」
「あ、ああ」
「それか?」
「その宗教のことを言うのかよ」
「その前身と言ってもいいユダヤ教だが」
マーグの話はそちらに移った。ユダヤ教にだ。
「似ているかも知れないな」
「そうね。それはね」
ミサトもだった。マーグのその言葉に頷く。
「言われてみればね」
「似ているな」
「そうね」
加持とリツコもそれを認めた。
「妙な位にだよな」
「ええ、ユダヤ教とバルマー帝国はね」
「もう一つの死海文書
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