第百六話 復活を信じ
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第百六話 復活を信じ
敵の本星に向かう中でだ。
マクロス7の集中治療室の中で。ミレーヌ達は項垂れながらバサラを見ていた。
彼はベッドの中で目を閉じている。いつもの言葉はない。
「バサラ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
返答はない。眠っているだけだ。
しかしそれでもだ。ミレーヌはだ。彼に呼びかける。
「クライマックスに謳えないんじゃしょうがないじゃない」
「それで博士」
ガムリンは千葉に対して問う。
「バサラの容態はどうなんだ?」
「それは」
「言えないのか?」
「自発呼吸なし」
千葉も項垂れて話す。
「脈拍二十五、体温三十二度」
「まずいわね」
それを聞いたリツコが述べた。
「そのままだと」
「あと数日しか」
千葉もそれを言う。
「もたないだろう」
「そんな、それじゃあ」
「バサラは」
「我々もあらゆる手段を尽くした」
それでもだというのだ。
「しかし彼は」
「ねえおじさん」
アーシュラがここで千葉に問う。
「バサラ、目を覚まさないの?」
「どうなの?それは」
「起きるよね」
「また歌ってくれるよね」
「そうだよね」
「ラポー君」
アーシュラ以外の子供達も見てだ。千葉は怪訝な顔でラポーに尋ねた。
「この子達はソロシップの」
「はい、すいません」
まずは謝罪するラポーだった。
「どうしてもバサラのお見舞いをすると言って」
「それで来たんだね」
「そうです」
まさにそれでだというのだった。
「付いてきました」
「バサラはソロシップの子供達の間でも人気があるんだね」
「ソロシップだけではありません」
カララが言う。
「どの艦でも彼の回復を祈っています」
「そうなんだ」
「その通りだ」
ハマーンもここで話す。
「ミネバ様も仰っていたが」
「あの娘も」
「そうだ。この戦いの中で勇気と希望を与えてくれる」
バサラの歌がだというのだ。
「素晴らしいものだ」
「あたしも好きだね」
キャラもいる。そのうえでの言葉だ。
「魂があるからね」
「大丈夫だよね?」
ファードが切実な顔で千葉に尋ねる。
「バサラはきっと目を覚ますよね」
「それは」
「大丈夫だよ」
口ごもってしまった千葉に代わってだった。
ガムリンがだ。優しい笑顔でファードに話した。
「バサラは遅刻はするけれど」
「それでも?」
「ステージをすっぽかしたことはないから」
だから大丈夫だというのである。
「安心していいよ」
「本当?」
「ああ、本当だよ」
また優しい声で告げるガムリンだった。
「だから君達も」
「僕達も」
「バサラのことを信じてやってくれ」
「そうですね。バサラさんは」
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