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第三十二話 仲間と道具
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に来た訳だが理由をシュウが尋ねた。
「なあ、リーファ。どうしてここに来たんだ?」
「ここの頂上から飛んだ方が高度が稼げるから遠距離飛行には持って来いの場所なんだよ。ホラ、行こう」
キリトとシュウはリーファに引っ張られると中に入り、屋上へ向かうためのエレベーターに乗り込もうとした時・・・
「リーファ!!」
とリーファを呼び止める声が聞えた。振り向くと少し年配のシルフが数名のシルフを引き連れてやってきた。
「こんにちは、シグルド」
「パーティーから抜ける気なのか、リーファ」
年配のシルフは【シグルド】と呼ばれており、どうやらリーファが入っていたパーティのリーダーのようだった。
「うん・・・まあね」
「残りのメンバーが迷惑するとは思わないか?」
「パーティに参加するのは都合の付く時だけで、何時でも抜けて良いって約束だったでしょう?」
シュウは一旦パーティに参加したなら途中で抜ける事は難しい事だが、約束をしているとなると抜けられても文句は言えないと考えていたがシグルドは・・・
「だがお前はオレのパーティーの一員として既に名が通っている!何の理由もなく抜けられると此方の面子に関わる!!」
それを聞いたリーファはハッと思い悩んだ表情を浮べていたが・・・
「「仲間はアイテムじゃないぜ(ぞ)?」」
キリトとシュウは呆れ顔になりシグルドに近寄った。
「何だ?貴様等は・・・」
シグルドが二人に威圧をかけるがまずはキリトから話す。
「他のプレイヤーをアンタの大事な剣や鎧みたいに装備にロックしておく事は出来ないって言ったのさ」
「な、何だ「そして」・・・っ!?」
シグルドが怒りの表情を浮かべ、反論しようとしたがシュウが続ける。
「プレイヤーを【者】ではなく、【物】として見ているテメェに口の何処に真実があるって言うんだ?私利私欲の事しか頭にない奴がリーダーとなり束縛する・・・俺はそんなパーティには死んでも入りたくねぇよ」
「き、貴様等!!」
二人の言い様にシグルドは自分の腰の得物に手をかける。
「薄汚いスプリガンとインプ風情が付け上がるな!!差し詰め、領地を追放されたレネゲイドだろうが!!そして他種族の領地に入ってくる事は斬られても文句は言わんだろうな!!」
シグルドは自分の剣を引き抜き、キリトとシュウに向けるがその言動にシュウはフゥと溜め息を付くと・・・
「レネゲイドって言葉が知らねぇが・・・俺達を甘く見るなよ?俗物が」
シュウのその一言で周りの空気が一気に重くなった。言葉だけで空気を一変させる事は並大抵のプレイヤーでは出来ない事だがあのSAO生還者でその強豪者に一角に入っていたシュウに取ってはそれも可能だった。
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