暁 〜小説投稿サイト〜
ヴァレンタインから一週間
第12話 水晶宮は何処に有る?
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つつ有る厄介事を無事解決する。其の方が、重要ですか。

 そう考えてから、少し勢いを付けて、俺は彼女の寝台から立ち上がったのだった。


☆★☆★☆


 ごく有り来たりな。しかし、誰かと取る朝食と言う貴重な時間の終了後。現在、朝の十時前。少し遅い目の朝食ですが、本日は土曜日。今年の四月から完全週休二日制に移行する事から考えると、この世界が俺の住む世界と同じシステムならば、今日は授業が有る日のはずです。
 つまり、今日は午後からは涼宮ハルヒと言う名前の少女との約束から図書館に行く必要が有るので、それまでの間。昼食まではヒマと言う事に成りますか。

 それならば……。
 長門有希。彼女の方に何かやって見たい事はないか、と聞こうとした刹那。

 突然鳴り始める玄関のインターフォン。
 但し……。

「なぁ、有希。ここのマンションって、マンションの入り口のトコロでインターフォンを鳴らしてから、ドアを開けて貰うシステムだったよな?」

 俺はマンション住まいではなく産まれてからずっと一戸建ち暮らし、そして最近の三年間はずっと一人暮らしでしたから詳しいシステムまでは知りません。しかし、この手の高級マンションならば間違いなく、不審者などに対する対策が行われているはずですから、先ず、マンションの入り口の段階で一度、チャイムに因りドアを開けるシステムに成って居ると思うのですが。

 案の定、有希はひとつ首肯く事で肯定と為す。ならば……。

 玄関の向こう側に居るのは、このマンションの住人か、それとも、単なる不審者か。
 しかし……。

 俺は、コタツの対面に座る少女を見つめる。この少女が暮らす部屋に、表札の類が出されて居るとは思えませんから、普通に考えると、周囲にこの部屋の住人が少女の一人暮らしだと知られているとも思えません。
 まして、彼女は、情報操作は得意だと言っていたので、単なる覗き目的の変質者では、この部屋を覗く事は出来ないと思うので……。

 尚、インターフォンが鳴っているのに、この部屋の主人。長門有希と言う名前の少女型人工生命体が対処する雰囲気はなし。これは、俺に対処しろと言う事なのでしょう。

 そう考えて、居間に存在するインターフォンに近付く俺。
 其処。玄関のインターフォンに付いているカメラに映る影は……。

「神代万結?」

 蒼い髪の毛。紅い瞳。昨夜、妖魔と争った時に手助けしてくれた少女。そして、彼女がそれなりの組織。天の中津宮の関係者や、昨日の夕方に出会った相馬さつきのように、明らかに国津神系に分類される人物が所属する組織も有りましたか。そのような組織に属していたのだとしたら、昨夜の俺のように、異世界の存在と戦えるイレギュラーな存在を不審に思って、接触を持って来たとしても不思議で
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