第12話 水晶宮は何処に有る?
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、しかし、其処に、現実に存在する少女の雰囲気を纏いつつ有る長門有希と言う名前の少女。
彼女の名に刻まれた意味。彼女の中に、希望が出て来たと言う事なのでしょうか。
「不明」
普段通りの簡潔な言葉。用件に対する答えのみを返す有希。しかし、更に続けて、
「それでも、貴方の為に何かを行う事は負担ではない」
……と、答えたのでした。
そして、その答えは、俺のほぼ想定通りの答え。この娘には、未だ『楽しい』と言う感覚が理解出来ていないだけの可能性が高いと思います。
言葉や、その言葉が指し示す意味は知って居たとしても。
「そうしたら。朝飯、有希は何が食べたい」
ならば、次の質問。そして、おそらく、この質問に対する彼女の答えは……。
「問題ない。わたしが一人で準備をする」
矢張り、想定通りの答えを返す長門有希。その際に発せられたのは喜と楽。出会いの夜に発して居た哀や寂寥とは違う精神の動きを指し示す雰囲気。
彼女。この長門有希と言う少女型人工生命体には、間違いなく『心』が発生している。もしくは、形成されつつある。
それも、九十九神や精霊などに多く存在する、使役される事に喜びを感じる心が。
これは、俺の式神契約の影響の可能性も有るのでしょう。しかし、そもそも彼女は、何者かは判らないのですが、それでも造物主に使役される事を前提として造られた存在。
その造られた存在に心が宿ったのなら、その心の形に、九十九神や精霊に近い心の形が現れたとしても何ら不思議では有りません。
そんな事を考えていた俺の目の前に、差し出される真新しい白いタオル。
そして、
「早く顔を洗って来るべき」
……と、昨日の朝と同じ行為に、今朝は少しの台詞を添えて俺を完全に目覚めさせようとする有希。
おそらくは、彼女、長門有希に俺の心の声が聞こえない以上、上半身だけを起こしたまま、ただ黙って彼女の事を見つめるだけで有った俺の事を、未だ寝惚けている状態だと判断したのでしょう。
それに、その判断も半ば正解ですから。
有希が差し出すタオルを受け取り、そして、少しの笑みを見せ
「ありがとうな」
……と、短く答える俺。
これも、出会ってから一度も変わらない彼女らしい反応で、小さく首肯いて答えてくれる彼女。
誰かが傍に居てくれる……。いや、俺は客人。全てが終われば、帰らなければならない定め。
本来ならば、この世界に俺が居るべき場所など持たない異世界の旅人。
「そうしたら、顔を洗って来るから、その後に朝飯かな」
俺の問い掛けに、再び、小さく首肯く彼女。
………………。いや、今は先の事よりも、目先の事。現在、起き
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