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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第三十六話    『謎の女性と王女の夢』
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シホは目を覚ましてガバッと勢いよく上半身だけ起き上がり、

「待って! あなたは誰なのッ!?………って、あれ?」
『………』

シホはいきなり起きて固まっている四人に目を移して、

「なんでクロノがいるの? というかなんで私、寝かされているの?」
「なんで、って…シホ、授業中にいきなり意識をなくして倒れちゃったんだよ?」
「覚えてないの?」
「…うん。そっちはわかったけどクロノがいるのはなぜ?」
「それはな。いきなり強力な魔力を感じて転移してきたんだ。その発生源は君だよ、シホ」
「私…?」
「そうだ。ところでなにか変な夢でも見たのか?」
「あっ…。うん、前は一度…そうだね? アンリミテッド・エアが起動した時に見た夢だったんだけど忘れちゃっていて…」
「ということは、今度は覚えているのか?」
「ええ。なんというか言葉がノイズだらけで何を喋っているのかよく分からない変な夢だった。でも人物の顔だけははっきりと思い出せるわ」
『ね、ね? どんな人だったの?』

エイミィは興味深げに聞いてきてシホはポツリポツリと話し出す。

「…どこか、戦場だったでしょうか? そこのあるお城の広間みたいな場所に私に似ていて赤い眼の色をした騎士甲冑を着た銀髪の女性と、それと女性に陛下と呼ばれていた右目が緑、左目が赤の虹彩異色の女性…その人が私に似た女性を、まるで…そう、大師父と私が使う第二魔法みたいな力で異空間に飛ばすという夢。
そして異空間の中でその女性は私にまるで気づいているかのように歩み寄ってきてノイズ交じりに何かを必死に頼み込んでくるんです。
なぜか私も夢だと言うのに声が出せて『誰?』と聞いたけどその女性は、その時だけはっきりと『まだ…』と呟いて首を振るんです。
そしてまるで、消えていなくなってしまいそうな儚い笑みを浮かべてどんどん遠ざかっていくと言う不思議な夢です」

シホの、夢だと言うのに鮮明すぎる内容になのはとフェイトは運命的ななにかを感じて目を輝かせている。
一方でクロノは「虹彩異色の王女…?」と呟いてなにかが頭に引っかかって考え込んでいる合間に、エイミィは突然大声を上げた。

『あーーーッ!?』
「ど、どうしたのエイミィ?」
「エイミィさん?」

エイミィは二人の声が耳に入っていないのか興奮気味にシホにあるものを見せる。それは誰かの肖像画だろうか?

『もしかしてシホちゃんが見たっていう王女の人って、この人!?』
「え、嘘!? は、はい。この人です!」
『やっぱりかぁ…。ベルカの虹彩異色の王女で検索してみたら見事ヒットしたよ!』
「それで実際誰なんだ? 僕も初めて見るものだが…」
『詳しい資料は載っていないんだけど、旧ベルカ時代の王の一人、聖王家の最後の王、名前を【オリヴィエ・ゼーゲブレヒト
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