9部分:第一幕その九
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威力だ、中傷というものは」
「私もされたことがありますので」
一瞬だが苦虫を噛み潰した顔を見せた。
「よくわかっています。必要ならばこれで」
「しかしだ」
バルトロはここで微妙な顔を見せてきた。
「しかし?」
「それだと時間がかかり過ぎる」
彼はそう言ってきた。
「時間がですか」
「そうだ。それに君もそれを使いたいか?」
「必要とあらばですが」
また一瞬だが苦虫を噛み潰した顔になる。
「そうか。わしは今は使いたくはない」
「時間の関係で?」
「それもある。それにどうにもあまりにも陰険だ」
バルトロも悪人ではない。そこまでは考えてはいなかった。
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