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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
第12話 吸血鬼襲来ですよ?
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れでよく双女神の旗を掲げていられるものですね、貴方達は!」

耳を逆立てて激昂する黒ウサギだがの騎士達は鼻で笑った。

「ふん。こんな下層に本拠を構えるコミュニティに礼を尽くしては、それこそ我らの旗に傷が付くわ。身の程を知れ名無しが」

「なっ…なんですって…!」

これにはさすがの黒ウサギも堪忍袋が爆発した
レティシアの扱いやコミュニティを侮辱する行動と発言の数々に、黒ウサギの沸点に一気に達したのだ怒りに震える黒ウサギを見下す騎士達はその姿に再度鼻で笑う。

「フン。戦うというのか?」

「愚かな。自軍の旗も守れなかった名無しなど我らの敵ではないぞ」

「恥知らず共め。我らが御旗の下に成敗してやるわ!」

口々に罵り猛る騎士達はゴーゴンの旗印を大きく掲げながら戦闘体勢に入る
まさに一触即発
黒ウサギの髪は淡い緋色に変わる

「ありえない…。ええ、ありえないのですよ。天真爛漫にして温厚篤実、献身の象徴とまで謳われた月の兎をこれほどまで怒らせるなんて…!」

黒ウサギが右手に持つカードを掲げると雷鳴とともに金色に輝く槍が顕現した

「イ…インドラの武具!? そんな話はルイオス様から聞いていないぞ!」

「ありえん! レプリカだ!」

雷が迸る槍を逆手に構えた黒ウサギは騎士たちに向かって投擲の構えをとる

「なら…その身で確かめるがいいでしょう!」

インドラの槍を黒ウサギが天に向かって打ち出そうとすると
十六夜が黒ウサギの背後に回り

「てい」

「フギャ」

思いっきり引っ張ったインドラの槍は騎士たちの元に行かず、あさっての方向飛んでいった

「何するんですか十六夜さん!」

「落ち着けよ。黒ウサギ仮にも相手はサウザンドアイズだ。白夜叉と問題起こしたくないんだろ? つか俺が我慢してやってるのに、1人だけでお楽しみとはどういう了見だオイ」

「フギャア!? お、怒るとこそこなんですか!?」

十六夜はリズミカルに、力いっぱい引っ張る
黒ウサギは十六夜の手から脱出し、空を指差す

「お、おっしゃることは尤もですが。やつらに天誅を加えねば!」

「もういないぞ」

「うん」

修也と耀の言葉に目線を空にむける
そこには騎士たちの姿は無かった

「不可視のギフトで隠れたんだろ。見逃してやれ」

「し…しかし」

「気持ちは分かるが今はやめとけ。詳しい話を聞きたいなら順番を踏むもんだ。事情に詳しそうな奴が他にいるだろ?」

黒ウサギの脳裏に白夜叉が浮かぶ
レティシアを連れてきたのが白夜叉なら詳しい事情を知っているかもしれない

「他の奴らも呼んで来い」

「え? でも昼間のことがありますし」

「なら来れるやつだけ連れて来い
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