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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:Vivere Est Militare....Fin
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たしはもう21歳となり、アムル領の領主としてすでに政を行っている。この4年の内でいろいろなことが起きてしまった。聖王戦争の勃発。尊敬するオリヴィエ様の死。クラウス殿下の王位継承。
オリヴィエ様の死をきっかけに、クラウス陛下は戦にのめり込んで行ってしまった。今日もまたどこかの戦場へと出向いて行ったと思う。ルシリオンさん。ごめんなさい。せっかく平和な時間を作っていただいたのですが、今のベルカの戦火はもう留まることを知りません。

「「ママ〜。どこぉ〜?」」

アムル領の本都(と言えるほど広くないけどね・・・)となったアムル。修復した屋敷の執務室の窓から、中央広場にそびえ立っているグラオベン・オルデンのみなさんの石像を眺めていると、廊下の方からわたしを呼ぶそんな声。落ち込み気味だったけど、その声でいや〜な空気が吹っ飛んじゃった。

「は〜い♪ ママはここですよぉ〜?」

執務室の扉を開けて廊下に出て、愛おしい娘と息子にわたしの居場所を教える。わたしと目が合うと、2人は「ママーっ?」って両腕を広げながらトテトテ駆けて来た。

(や〜ん、可愛い〜?)

頬に手を添えてウットリ見守る。ルシリオンさん。わたし、あなたの子供を産んじゃいましたっ?
双子の姉弟ですよっ。お姉ちゃんの名前は、ルル。弟くんの名前は、ベディヴィア。
もう4歳です。やんちゃです。でも愛嬌があって、母親のわたしはメロメロなんですっ?
でも残念です。ルシリオンさん。夫であり父であるあなたがわたし達の傍に居ません。すごく逢いたいです。2人ともルシリオンさんの髪型ソックリなんですよ。瞳と髪の色はわたしと同じで、髪は茶色、瞳は青。どうせならルシリオンさんの銀の髪や紅と蒼の虹彩異色を継いでもらいたかったなぁ〜なんて。

「あぅ・・っ?」

「「あ」」

ベディが転んだ。絨毯が緩衝材として衝撃を和らげてくれるはずだから、そんなに痛くないんだけど・・・。でも幼い子供は痛いとか痛くないとか関係なく、ビックリしただけで泣いちゃう。さっそくうるっと瞳を涙で濡らしちゃうベディ。すぐに駆け寄りたい衝動に駆られる。でも大丈夫。ベディの傍には、頼りになるお姉ちゃんが居るんだから。

「大丈夫? ベディ。泣いちゃダメ。ママが悲しんじゃうから」

「あ、う、うん・・・ぼく、泣かないよ」

「えらいよ、ベディ! ルルお姉ちゃんもありがとねっ♪」

ルルはベディの手を引っ張って立ち上らせて、よしよしって頭を撫でる。ルシリオンさんのクセのような頭なでなでをするルル。

(これは遺伝なのかな?)

わたしのところに辿り着いた2人をギュッと抱きしめて、頬に口づけをする。シュテルンベルクの血を引く女性にのみ発現する能力クス・デア・ヒルフェはもう発動しない。たぶんルルに引き継がれち
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