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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:Vivere Est Militare....Fin
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かれては、私が母上に叱られて――はぁ。お休みなさいませ、父上」

?―?―?―?―?―?―?

そこは円形の大ホール。直径は100mほどはあり、天井までの高さは20mほど。
薄い水色のクリスタルのような材質をした六角形のブロックを敷き詰めた石畳、滑らかに曲線を描く壁面やドーム状の天井もまた同様の材質で出来ている。壁際には、水槽のような支柱が一定間隔を開けて何柱もそびえ立っている。
そんなクリスタルの大ホールは窓も無ければ明かりになるような松明なども無いのに、とても明い。大ホールを構築しているクリスタルすべてが光明として機能しているからだ。

「バンヘルドが逝ってしまったな・・・」

大ホールに若い男の声が響く。大ホールの中央には、背もたれの形状が風船の側面のような肘掛け椅子――バルーンバックアームチェアが8脚。1脚は他の7脚よりも大きく、そして装飾も派手だ。それはさながら王の座る玉座。
今の声は、その玉座と向かい合うように横に並んでいる残りの7脚の内、中央の席に座っている青年が発したものだ。銀の髪にアップルグリーンの瞳、黒の長衣・スラックス、灰色のロングコートという出で立ち。名をガーデンベルグ・ブリュンヒルデ・ヴァルキュリア。しかし今は“ヴァルキュリア”ではなく“エグリゴリ”と名乗っているが。

「だな。・・・・もとより単独で挑んで勝てるとは思ってもいないしな」

一番左端に座る青年が僅かに俯きながら呟いた。オリエンタルブルーのツンツン髪、ワインレッドの鋭い瞳、前開きの黒ハイネックタンクトップ・レザーパンツ・白のロングコートという出で立ちの青年、シュヴァリエル・ヘルヴォル・ヴァルキュリア。
シュヴァリエルのその言葉に、他の椅子に座る“エグリゴリ”がガーデンベルグの右隣の空席に目をやる。今は亡きバンヘルドの椅子だ。数千年と行方を晦ましていた“エグリゴリ”が全機揃っている。そう。ここは、“エグリゴリ”の本拠地。そこは、ルシリオンも知っている場所。彼にとって全ての始まりにして終わりになる地。しかし訪れることが出来ない地。

「・・・本当に、これで良かったのかなぁ・・・?」

バイオレットのショートヘアは、カチューシャ付けていることでインテーク化、クリムゾンの瞳は猫目で、口も猫のように端が上がっている。ハイネックの黒セーター、白のロングコート、コートの裾から覗くズボンは黒、茶色のブーツという出で立ち。レーゼフェア・ブリュンヒルデ・ヴァルキュリア。“夜天の書”とシュリエルリートを砲撃で殺した張本人だ。
彼女の視線がバンヘルドの空席から玉座――よりずっと奥へと向けられる。他の“エグリゴリ”もそちらへ目を向けた。天井より下がる赤い垂れ幕に挟まれるような形で存在している扉。その奥に、一体何が在るのだろうか。“エグリゴリ”全機の瞳には
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