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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:Vivere Est Militare....Fin
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? イヴィリシリア様、セシリス様との実戦訓練です」

「ああ、そうだったか。ダメだな、まだ寝惚けているのかもしれない」

リアンシェルトというのは、先に挙げた稼働機の内の1機で、第一世代の副隊長を務めることになるシリアル02。ガーデンベルグもそう。第一世代の隊長を務めることになるシリアル01。ちなみにバンヘルドは03だ。試作機のシリアル00も居たが、すでに機能停止していて、今はゆっくり休ませている。にしても、だ。

「バンヘルド。お前、その体に不満とかないか?」

私を含めた“アンスール”の誰よりも年上の外見であるその体について、バンヘルド自身が何か思っていないか訊いてみる。

「不満ですか? 特にシステムに不具合も無く・・・・・・自己検査の結果も問題がありませんが」

「そうじゃなくて、何と言うか、外見年齢・・・とか」

「確かに、私の外見年齢だけが高く設定されていますね。ふむ、不思議には思います。ガーデンベルグとリアンシェルト、稼働準備中のグランフェリア、レーゼフェア、フィヨルツェンのどれもが10代20代の外見・・・」

バンヘルドが腕を組んで唸り始めた。アンスールメンバーの大半は10代だ。私は今17歳。一番年上は、無圏世界ニダヴェリールの王ジークヘルグの22歳だ。今後の“ヴァルキリー”の外見年齢は確定していないが、まず30代はない・・・と思う。

「父上がお決めになったのですか?」

「いや・・・ヴァルキリーの外見や人格などは、基本的にシェフィが決める。私からもいくらか注文するけどな」

“ヴァルキリー”に男性型を作ろうと考えたのもシェフィだ。詳しい理由は聞いていないけど、何らかの将来における予行演習などと言っていた。一体なんの予行演習なのかはサッパリだ。とりあえず、それは置いておいて、だ。バンヘルドの大人びた外見も、シェフィの考えによるものだ。その理由として、

「バンヘルド。お前は、私はもちろんシェフィに期待されているんだよ。第一世代ヴァルキリー・・・ブリュンヒルデという名にする予定なんだけどな。そのブリュンヒルデの抑止力として、お前を選んだ」

「抑止力、ですか・・・?」

私は椅子から立ち上がり、執務机の後ろに在る窓枠へと腰掛けた。

「ああ。バンヘルド、お前の感情制御プログラムは徹底してあるんだ。ブリュンヒルデの感情による暴走を抑える司令塔とするために。で、シェフィは言った。隊長・副隊長を差し置いての司令塔になるなら、威厳のある外見じゃないとダメだよね、と」

シェフィのそんな思考に少しついて行けなかったが、楽しそうだったから見守った。それで完成したのがバンヘルドだ。話し終えると、バンヘルドが「威厳・・・。私に有りますか?」と訊いてきた。物静かで礼儀正しく、落ち着き払った佇まい。
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