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世界樹について
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 呆れ顔でため息をついたキリトはユイに説明するように言った。

「わかりました。お兄ちゃん、この世界はSAOのサーバーのコピーなんです」

「つまり、この世界はSAOであってSAOじゃない?SAOの中だったらもっと体力とか高いし」

「まあ、そのようなものです。そのせいでお兄ちゃんのステータスもそのままになっています。ですが、HPは別系統のものなので引き継がれなかったんです」

「ふーん」

 そう言って、ウィンドウをスクロールしてスキルを見る。スキルレベルのMAXなのが両手剣、料理、体術、索敵、隠蔽とあちらの世界で使っていたものがあった。それと見覚えのないスキルもあった。

「弓?何でこんな物まであるんだ?」

「わかりません。ですが、あちらの世界で使っていた弓を何度も使用していたことによりこっちのシステムが勝手に入れたんだと思います」

「まあ俺は、そこら辺のことはよくわからん。て言うことは色々なアイテムも」

「それは管轄というよりプログラムが違うので、私のようなAIプログラム以外は全部使用不可になっています」

「そうか。あっちの色々な思い出が詰まってんのにな……もったいない」

 そう言ってアイテム欄で使えるアイテムを探すが何もなかったため全て捨てた。

「でも、こんな最初からチート状態、GMが見たらなんというか」

「大丈夫です。直接お兄ちゃんのデータを確認しない限りばれません」

 ゲツガは苦笑しながら寝転ぶ。しかし、自分のスキルをみてあいつらがいない事を確認してホッとした。もう、この世界ではあのような死ぬほどの痛みを味わうことがないのだから。ユイはキリトがいなくなっていたのでゲツガの横に寝転ぶ。

「お兄ちゃん、絶対にママたちを助けましょう」

「何言ってんだ。俺たちはそのためにここに来たんだからな。絶対に見つけ出す」

 ユイの頭をなでる。ユイは目をつぶって恥ずかしそうに頬を赤くする。ゲツガはログアウトボタンを押してからユイに言った。

「今日はもうお別れだな。だけど、明日も来るから心配しないで待っとくんだぞ?」

「はい」

「よし、いい子だ」

 ゲツガはまた、ユイの頭をなでる。そしてゲツガの視界はブラックアウトし現実世界へと戻った。
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