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世界樹について
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れ」

 ゲツガはリーファを呼び止める。リーファは不思議そうにこちらを見る。ゲツガは微笑んで言った。

「ありがとう。初めて会った俺らにここまでしてくれて」

 そう言うとリーファはにこりと微笑んで消えていった。リーファが消えた後、キリトは呆気を取られていた。

「どうしたんだろう彼女」

 呟く肩の上にいるユイはかわいらしく首を傾げた。

「さあ……。今の私にはメンタルモニター機能がありませんから……」

「まあ、いいじゃねえか。道案内してくれるって言ったんだし」

「マップは私にも分かりますが、戦力は多いほうがいいですしね。でも……」

 ユイはキリトの肩で立ち上がると言った。

「浮気をしちゃ駄目ですからね。パパ、お兄ちゃん」

「するわけないだろ。俺はユキ一筋だ」

「しない、しないよ!!」

 キリトは首をぶんぶんと振って否定する。ユイはキリトの肩から飛んで言った。

「パパもお兄ちゃんみたいにズバッと言って欲しいです」

 ユイはテーブルの上に着陸して食べかけのチーズクッキーを抱え上げる。

「ゲツガは鈍感すぎて恥ずかしいことがの判別がまだ微妙なだけだよ」

 そう言ってキリトはグラスに入ったワインを一気に飲み干す。たしかに、今回は意識しておいたほうがいい。リーファはゲーム内だけの存在で使っている別人格の見知らぬプレイヤーがいるということを。

「難しいな……VRMMOって……」

 キリトがそう呟き、苦笑した。ゲツガもその言葉を聞いて苦笑する。ゲツガたちはとりあえず今日は落ちることに決めて、宿にチェックインした。部屋はとりあえず、同じ部屋にした。部屋に着くとベットに寝転ぶ。持ってきたチーズクッキーとの格闘を終えたユイはピクシーの姿から元の姿に戻って、床に着地する。ユイはわずかに俯きながら言った。

「……明日まで、お別れですね、パパ、お兄ちゃん」

「……そうか。ゴメンな。せっかく会えたのにな……またすぐに戻ってくるよ、ユイに会いに」

「ああ。今日はもう無理かもしれないが明日も会える」

 ゲツガは自分の寝転んでいるベットで体を起こしてユイに言った。

「……あの……」

 眼を伏せたユイは頬を赤くして頼む。

「パパ達がログアウトするまで、一緒に寝ていいですか」

「え」

 急に言われたキリトぽかんと口を開けた。その状態をニヤニヤ見ながら自分もログアウトするかなと思いウィンドウを開く。その時に自分のステータスを見て驚く。

「何だこれ!?」

 急に叫んだことでキリトとユイがこっちを向く。

「どうしたんだ?」

「俺のステータスが初めからチートみたいなんだが……」

「お前……今頃気づいたのかよ……」


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