世界樹について
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「滞空時間があるのは知ってるでしょ?どんな種族でも、連続して飛べるのはせいぜい十分が限界なの。でも、世界樹の上にある空中都市に最初に到達して、妖精王オベイロンに謁見した種族は全員、アルフっていう高位種族に生まれ変われる。そうなれば、滞空時間はなくなっていつまでも空を飛ぶことが出来るようになれる……」
「……なるほど……」
そう言って、パフェを一口ほおばる。口いっぱいにイチゴの味が広がる。
「それは確かに夢のような話だな。で、世界樹の上に行く方法っていうのは判ってるのか?」
「世界樹の内側、根元のところが大きなドームになってるの。その頂上に入り口があって、そこから内部を登るんだけど、そのドームを守っているガーディアン軍団がすごい強さなのよ。今までたくさんの人が何度も挑戦したけどみんなあっけなく全滅。サラマンダーは今最大勢力だからね、なりふり構わずお金ためて、装備とアイテムを整えて、次こそはって思ってるんじゃないかな」
「そのガーディアンってのは……そんなに強いの?」
キリトがリーファに訊ねる。
「もう無茶苦茶よ。だって考えてみてよ、ALOってオープンしてから一年経つのよ。一年かけてクリアできないクエストなんてありだと思う?」
「それは確かに……」
キリトは納得したように頷くがゲツガは苦笑するしか出来なかった。なぜなら二年以上かけてもかけて突破してきた浮遊城は裏ワザに近いことを使ってクリアしたため、正確にはグランドクエストである最上層までクリアできていなかったからである。
「実はね、去年の秋ごろ、大手のALO情報サイトが署名を集めて、レクトプログレスにバランス改善を要求したんだ」
「へえ、それで……」
「お決まりっぽい回答よ。『当ゲームは適切なゲームバランスのもとに運営されており』なんたらかんたら。最近じゃあね、今のやり方じゃあ、世界樹攻略はできないっていう意見も多いわ」
「……何かキークエストを見落としてる、もしくは……単一種族だけじゃ絶対クリアできない?」
キリトがリーファにそう聞く。リーファは口許に運んでいた手を止めて、キリトの顔を見た。
「へえ、いいカンしてじゃない。クエストの見落としのほうは、今躍起になって検証してるけどね。後のほうは絶対にないと思う」
「何で?」
キリトが分からないと言ったように首を傾げたのでリーファの変わりに説明する。
「よーく考えてみろ、キリト。単一の種族がアルフになれるって言ったんだ。合同だと矛盾ができるだろ」
そう言って口に最後の一口のミルフィーユを食べる。キリトはそれを聞くと更に考える。
「じゃあ、事実上世界樹を登るのは……不可能ってことなのか……?」
「……あたしはそう思う。そりゃ、ク
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