第百四話 七人のプロトデビルン
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ルさんだけじゃなくて?」
「ギギルさんも?」
「そうなのか」
「そうだ。俺達全員だ」
まさにだ。彼等全員だというのだ。
「俺達プロトデビルンは。どうやら音楽でだ」
「それによってか」
「スピリチアを得る」
「どうやら」
「それがわかってきた」
ギギルだけなのだ。そしてだ。
彼はだ。また言うのだった。
「だから。シビルと共に歌を聴きたい」
「歌、凄い力ね」
「そうですね」
そのことを。今シェリルとランカも実感した。
それでだった。二人もだ。
「私達も。それなら」
「これからも」
こう話してだ。二人は歌を歌うことを決意した。
彼等はギギルを加えたうえでさらに進む。そこでだった。
歌を聴き続ける。様々な歌を。それはブンドルもだった。
ブンドルは今次から次に音楽を聴いていた。クラシックの曲をだ。
カットナル、ケルナグールも共にいる。そのうえでだ。
ブンドルに対して。こう問うのだった。
「ブンドルよ、これもだな」
「この歌もまたいいというのだな」
「そうだ。二人もわかる筈だ」
彼は優雅に聴きながら彼等に問うた。
「こうした歌の素晴らしさも」
「確かにな」
「それはその通りだ」
二人もだ。それを否定しなかった。
「実にいい歌だ」
「これは何だったか」
「ヴェルディ、椿姫第四幕より」
男と女の。二重唱だった。今の曲は。
「パリを離れてだ」
「あの音楽家にしては静かな曲だな」
「そんな歌だな」
カットナルとケルナグールは音楽家の名前を聞いてまずはこう述べた。
「美しい」
「そして清らかだな」
「ヴェルディは激しいだけではない」
それに留まらない。ブンドルは話す。
「静も持っているのだ」
「併せ持っている」
「そうなのだな」
「確かに劇的な音楽が多いが」
それでもだというのだ。
「これもまたヴェルディなのだ」
「そうか」
「いいものだな」
「そう思うな。では今はこの曲を聴こう」
ブンドルは優雅なまま話す。
「三人でな」
「わし等もだな」
「そうしていいのだな」
「長い付き合いだ」
それはまさにその通りだった。
「それではだ。こうしたこともな」
「いいか」
「そうなのだな」
「無論二人の好きな音楽も聴くといい」
ブンドルはこうも話した。
「そうして。今は過ごそう」
「歌、いいものだな」
「それもな」
三人も今はその音楽の中にいたのだった。
そしてだ。その中でだった。ケルナグールが話した。
「わしは確かに戦いが好きだ」
「それでもか」
「うむ、それでもだ」
こうカットナルに話すのだった。
「しかし熱気バサラのあの意気はだ」
「認めるのだな」
「認めるしかあるまい」
こうまで言うのだ
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