第百二話 合体ガビグラ
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「いいか皆!」
「あっ、熱気バサラだ!」
「路上ゲリラライブか!?」
「それか!?」
「ああ、その通りだぜ!」
まさにだ。そうだというのだった。
そしてだ。彼はここでもこう叫んだ。
「いいか皆!」
「ああ、何時でもな!」
「いいわよ!」
「俺の歌を聴けーーーーーーーっ!」
高らかにだ。こう叫んでだった。
路上ライブをはじめる。それを聞いてだ。
今回はクローディアだった。彼女が来て咎めるのだった。
「ちょっと、何をやっているのよ」
「んっ?ライブだぜ?」
平然と答えるバサラだった。
「それがどうしたんだよ」
「どうしたのではなくてよ」
「別にいいじゃねえかよ」
「許可は得ているの?」
「何だよ、それ」
平然として返すバサラだった。ここでもだ。
「だから許可ってよ」
「全く。いつもそうだから」
未沙と同じ様な口調になっている。
「世話が焼けるわね」
「で、クローディアさんもかよ。止めろっていうんだな」
「そうよ。言っても聞かないでしょうけれど」
それはもう確信していることだった。
「わかったわね。止めなさい」
「ああ、それじゃあな」
珍しくだ。人の話を聞いたように思える言葉だった。
しかしだ。その予測は脆くも砕かれてしまった。
バサラはだ。すぐにこう言うのだった。
「じゃあ別の場所でするな」
「何でそうなるのよ」
「俺の歌は何時でも何処でもなんだよ」
やはりだった。バサラはバサラだった。
「だからだよ。歌うぜ」
「だから許可は得ているのって聞いてるのよ」
「だからそんなの必要なのかよ」
相変わらずの口調であった。
「俺はそんなの構わないけれどな」
「構いなさい。許可はね」
「じゃあ今くれるってのか?許可ってのをよ」
「ええ、どうするのそれで」
「じゃあくれ」
あっけらかんとさえしている口調だった。
「その許可ってのをよ」
「はい、じゃあこれ」
クローディアは早速ペンとサインの書類を出してきた。
「これにサインしてね」
「わかったよ。それにサインすればいいんだな」
「それさえしてくれればいいから」
「サインペンねえか?」
ここでこんなことも言う彼だった。
「サインだったらそれでするだろ」
「そういうサインじゃないから」
憮然として返すクローディアだった。
「このペンでいいのよ」
「何だよ、面白くねえな」
「面白いかそういうのじゃなくてよ。早くサインしなさい」
「わかったよ。それじゃあな」
こうしてだった。バサラはサインしてからだ。そのうえでだ。
また歌うのだった。今はだ。己の道を行き歌うバサラだった。
第百二話 完
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