第百一話 安全圏まで
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った。
「じゃあ。あらためてな」
「ああ、バロータにまたな」
「殴り込みだな」
「そして今度こそな」
今度こそ。何をするのかも言い合う。
「プロトデビルンとの戦いも終わらせるか」
「奴等、ぶっ潰すぜ」
「本当に今度で」
「何があっても」
「ああ、ちょっと待ってくれるか?」
意気あがる彼等にだ。バサラが声をかけた。
「ぶっ潰すっていうのはな」
「それは?」
「駄目っていうの?」
「ひょっとして」
「ああ。プロトデビルンともな。和解できるからな」
それでだというのだ。彼は潰すというのには反対なのだった。
「倒すとかそういうのは止めておくか」
「それはか」
「止めてか」
「じゃあ一体?」
「どうやって話し合うんだよ、連中と」
「それなら」
「話し合うんじゃねえよ」
そうではないというバサラだった。
「言葉よりもずっといいのがあるからな」
「ああ、歌かあ」
「それだよな、やっぱり」
「歌だよな」
「ああ、その通りだ」
まさにだ。その歌だというのである。
「あのでかいのも俺の歌を聴いたんだ。だから絶対にな」
「そんなことができるのだろうか」
それに異議を呈したのはシリウスだった。
「歌で。本当にプロトデビルン達との戦いを」
「正直難しいと思うけれど」
シルヴィアも信じていなかった。
「幾ら何でも」
「しかしだ。私達も今までバサラを見てきた」
「そうなのよね、それよ」
しかしだ。ここで二人はこうも言うのだった。
「若しかしたら。本当にだ」
「それができるかも知れないわね」
「少なくともやってみる価値はあるよな」
アポロは乗り気だった。彼はだ。
「実際にな。歌でな」
「よし、それじゃあ行くぜ」
バサラは威勢よく言った。
「連中との戦い、俺の歌で終わらせてやるぜ!」
「本気で言うから凄いのよね」
ミレーヌはこう言いながらもバサラの傍にいる。
「けれど。ここまできたらね」
「ああ、やるぜ!」
また言うバサラだった。
「じゃあ今はな」
「今は?」
「飯にしないか?」
それはどうかというのである。
「殴り込んで歌う前にな」
「ああ、食事か」
「そういえば第四惑星に突入して脱出するまで」
「全然食ってなかったよな」
「そうだったよな」
皆このことに気付いた。そうしてだった。
不動がだ。豪快にこの料理を出してきた。
「ならばちゃんこだ!」
「何でちゃんこなんだ?」
「この人いつもいきなり言うけれど」
「どうしてちゃんこなんだよ」
「意味がわからないけれど」
「ちゃんこは身体にいいからだ」
それでだというのである。
「それに皆でたらふく仲良く食べられる」
「それでちゃんこなんですか」
「じゃあ。お野菜に」
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