第百一話 安全圏まで
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何かあの姉妹ってな」
「そうよね。いつも思うけれど」
ロンド=ベルの面々はその二人を見てだ。戻りながらこう話すのだった。66
「正反対だよなあ」
「見事なまでに」
「タータさんの声ってそういえば」
皆ここで遥を見た。彼女をだ。
「似てるしなあ」
「そうよね。何気に」
「そっくりだったりするし」
「否定できないわね」
その遥も苦笑いであった。
「タータちゃんとはね。不思議な縁を感じるわ」
「そやそや。うちもそう思うわ」
そしてそれはタータもであった。
「ほんまよお似てる思うわ。自分でもね」
「そうよね。何かね」
「そうなんだよなあ」
「この二人もなあ」
「本当に似てるな」
「ちょっとな」
そしてだ。タトラもであった。彼女もだ。
「アイナさんやテュッティさんもだけれど」
「十七歳の声?」
「全力で否定したいけれど」
「それよね」
「そんな声だから」
「はい、私は十七歳なんですよ」
タトラもにこりと笑ってこう話す。
「永遠の十七歳なんです」
「まあ十七歳と何ヶ月?」
「それでいいか」
「本人もああ言ってるし」
「それなら」
無理矢理納得する彼等だった。そんな話をしながらの撤退だった。
そしてだ。バサラもだ。
グラビルが大きく揺れ動いていた。バサラのその音楽を受けてだ。
それを見てだ。バサラも言うのであった。
「よし、俺の歌が届いてるな」
「もう一押し?」
「ああ、いけるぜ!」
言いながらギターを持ちなおすのだった。
「もう一曲!いくぜ!」
「悪いけれどそれは無理よ」
しかしだ。そのバサラにだ。マヤが告げる。
「バサラ君もミレーヌちゃんも帰って」
「んっ?三分か?」
「もうですか」
「ええ、そうよ」
まさにだ。その三分だというのだ。
「三分になったから。それじゃあね」
「ああ、ミレーヌちゃんいいか?」
「少しいいかな」
シゲルとマコトがここでミレーヌに話す。
「バサラをだけれど」
「絶対に連れて帰ってね」
「絶対にですか」
「いや、バサラはわからないから」
「急に突拍子もない行動に出るからね」
彼等から見ればだ。バサラの行動はそうしたものに他ならなかった。
「だからね。ここはね」
「宜しく頼むな」
「いい?バサラ君」
マヤも心配そうにバサラに声をかける。
「今回は絶対に戻って来てね」
「何か俺全然信用ねえな」
「常識に捉われなさ過ぎるのだ」
今言ったのはイリアだ。
「全く。常にだからな」
「いや、そう言うイリアさんの格好もかなり」
「軍人の軍服かな」
「違うだろ、あれ」
「ロック歌手のステージ衣装だろ」
「そうだよな」
多くの人間がそれではというのだった。
「ちょっとなあ」
「あ
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