第百一話 安全圏まで
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「何処まで馬鹿なんだ、本当に」
「毎回毎回残骸になってるのに」
「こうしている間にも絶対に」
「来るっていうのにな」
「まああれだよな。おばさんって嫌だよな」
その懲りないシンはまだ言う。
「肩凝りやら何やらでよ。ストレス溜まってるんだよな」
「あっ、これって」
セシリーがここで感じ取った。
「まずいわね」
「よし、恒例行事か」
「じゃあまあやばいから離れて」
「そろそろだし」
皆シンから距離を置くするとだ。
まだ言っているシンの後ろにだ。黒いシルエットが現れた。目だけが異様に赤く輝いている。
そしてだ。後ろから手を伸ばしだ。
彼の頭を掴む。そのまま握り潰さんとする。
「や、やっぱり出た!」
「予想してたけれど怖いぞおい!」
「た、大尉!何時からそこに!?」
「いらしてたんですか!?」
「今来たばかりよ」
未沙であった。シンの頭を掴みながら言う。
「けれど。会話は全部ね」
「聞こえてたんですか」
「あの、ここシティなんですけれど」
「マクロスの艦橋じゃないですけれど」
「それでもなんですか」
「ええ、全部聞こえていたわ」
宇宙空間を隔てていてもであった。
「全部ね」
「そ、そうだったんですか」
「す、凄い耳ですね」
「何か超能力者みたいですけれど」
「そういう話は全部聞こえるのよ」
あまりにも超絶的な未沙の耳である。
そしてだ。そのシンに対して言うのであった。
「さて、誰がおばさんかしら」
凄みのある笑みでの言葉だ。
「聞きたいわね。誰かしら」
「そんなの決まってるだろ」
しかしシンも負けない。
「俺の頭を今掴んでる人だよ」
「そしてその名前は?」
「早瀬未沙ってんだよ」
最後まで言った。これで全ては決まった。
シンはその場で残骸にされた。後にはボロ雑巾の様になったその残骸が放っておかれていた。
皆それを見てだ。呆れながら言うのであった。
「だから止めたのになあ」
「何でいつも言うかねえ、こいつは」
「予想通りの展開だけれど」
「本当に進歩ねえな」
「全く」
とはいっても誰もシンに同情しない。本当に自業自得だからだ。
だがそんな話をしている間にもであった。彼等はバロータ星系からの離脱を進めていく。その中でだ。
美穂がだ。サリーに尋ねるのであった。
「ねえ。これでね」
「ええ。プロトデビルンの予備戦力よね」
「もう。殆ど残ってないわよね」
サリーに尋ねるのはこのことだった。
「捕虜の人達は全部解放したから」
「そうよね。今はね」
「じゃあ安全圏まで誘導して解放したら」
それからのこともだ。美穂は話すのだった。
「それからいよいよ」
「プロトデビルンともね」
「決着をつける時なのね」
「そ
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