第九十四話 炸裂!神雷
[1/13]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第九十四話 炸裂!神雷
バランはだ。出撃しながら難しい顔をしていた。部下達もその彼に問う。
「バラン様、一体」
「どうされたのですか?」
「いや、何もない」
だがバランは答えようとしなかった。
「別にな」
「この戦のことですか」
「ロンド=ベルをこうして攻めることについて」
だが、だった。その部下達が言うのだった。
「それについてですね」
「よく思われていませんか」
「ハザル様はどうも」
「抵抗できぬ者、弱い者に対しても容赦されません」
話は自然にハザルへの批判になっていっていた。
「武器を持たぬ者であっても平然と攻撃されます」
「そうして多くの者を虐殺されています」
「あれは。武人としては」
「どうなのでしょうか」
「口を慎め!」
しかしだった。バランはその彼等を一喝した。
「上官への批判は軍律で禁じられておる。それを忘れるな!」
「は、はい」
「申し訳ありません」
部下達もその言葉で畏まる。
「失礼しました」
「それでは」
「そうよ。決して言うでもない」
バランは厳しい顔で彼等にまた告げた。
「わかったな」
「了解です」
「それでは」
「それではだ」
そう告げてからだった。バランは彼等にあらためて言った。
「今よりだ」
「はい、今よりですね」
「ロンド=ベルを」
「我等で殲滅する」
こう告げるのだった。
「よいな、それは」
「はい、それでは」
「今より」
こうしてだった。彼等もロンド=ベルに向かう。そうしてだ。
トウマもだ。今まさに出撃しようとしていた。ミナキに対して言っていた。
「それじゃあな」
「ええ、トウマ」
「バラン=ドバンと決着をつけてやる」
彼の目には強い決意があった。
「ここでだ!」
「それでトウマ」
ミナキはそのトウマに言った。
「大雷鳳の力だけれど」
「その隠された力のことだよな」
「ええ、それはどうやらね」
「何かわかったのかい、それで」
「どうも。貴方に関係あるわ」
こうだ。トウマを見ながら話すのだった。
「貴方のその力とね」
「俺と?」
「大雷鳳は貴方とシンクロしてるから」
そうした意味ではエヴァと同じである。
「その貴方が。力を極限まで出せば」
「大雷鳳もなんだな」
「ええ、力を出すわ」
そうだというのである。
「極限までね」
「わかった。それならな」
トウマもだ。それを聞いて言った。
「俺は俺の力を極限まで出す」
「そうすれば大雷鳳も」
「そしてその力で」
「バラン=ドバンを倒すのね」
「ああ。あいつには負けられないからな」
それでだというのである。
「バラン=ドバンには」
「ライバルってやつだな」
その彼にこう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ