第九十二話 イングラムの心
[1/13]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第九十二話 イングラムの心
アルマナはだ。セレーナに声をかけていた。
「あの」
「何?」
「大丈夫ですか?」
気遣いは見せていた。
「その、あれだけのことがあって」
「心配しなくていいわ」
それはいいというのだった。
「ただね」
「ただ?」
「あんたのその心遣いだけれど」
「はい」
「そんなのはいいから」
こう言うのだった。
「正直言ってね」
「えっ、どうしてですか?」
「そういうのは反吐が出るのよ」
これがセレーナへのアマルナの言葉だった。
「あんた、私を哀れだとか思ってるでしょ」
「いえ、それは」
「自分で気付いていなくてもそうなのよ。そうして上から見られるのはね」
どうかというのであった。
「好きじゃないから。いいから」
「じゃあ今は」
「もういいから」
こう言ってアマルナを退けるのだった。
「これ位の怪我はね。自分でなおせるからね」
「そうですか」
「ええ、そうよ」
きつい顔でアマルナを拒むのだった。そうしてであった。
自分で実際に怪我をなおした。そうしたのであった。
そんな彼女を見てだ。カガリが言った。
「何かな」
「嫌なものを見たっていうのかい?」
「私もああしたところがあったか」
アマルナを見ての言葉だった。
「ああして。上からの哀れみは」
「そうだね。カガリもねえ」
ユウナがだ。カガリに自分が思ったことをありのまま話した。
「ちょっとね」
「あったんだな」
「なかったとは言えないね。オーブの後継者だからってね」
「そうか、やっぱりそうなんだな」
「うん、誇りは大事だよ」
ユウナはそれは必要だとした。
「けれど己を高みに立てて何かをするのはね」
「よくないか」
「驕りはね。いいものを生まないよ」
「それでなんだな」
「そういうことさ。まあカガリは最初からそうしたことはあまりなかったから」
「そうか」
「うん、今は全く気にしなくていいから」
こう彼女に話すのだった。
「ただ。カガリはカガリで」
「私は。何だ」
「もう少しおしとやかになってくれないとねえ」
「そんなことはどうでもいいだろう」
そのことは完全に否定するのだった。
「私はこれでもだ」
「けれどカガリって」
ミネバが彼女に言ってきた。
「ちょっと」
「もう少しレディーとしてのたしなみが必要だな」
ハマーン参戦であった。
「全く。そんなのではだ」
「そうですよね。僕もこれでは先が思いやられて」
今度は溜息になるユウナであった。
「御婿さんが来てくれるやら」
「えっ、それもう決まってるんじゃないの?」
ミネバはその話になるときょとんとした顔になって述べた。
「アスランなんじゃ」
「ああ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ