第九十二話 イングラムの心
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有り難いわよね」
「ああ、それじゃあな」
「行きましょう、他の相手の前に」
こうしてだった。二人は今はクォヴレーに任せた。そのクォヴレーは。
キャリコに対してだ。こう言うのだった。
「貴様と俺は違う」
「それは言うまでもない」
「しかし貴様は俺がいなくては生きられはしない」
告げるのはこのことだった。
「俺の中にあるオリジナルの貴様がいなくてはだ」
「俺はオリジナルを倒してはじめて俺になれるのだ」
仮面の中でだ。こう言うのであった。
「だからこそだ」
「だから俺は貴様とは違うのだ」
「だからだと!?」
「俺は貴様がいなくとも生きられる」
キャリコに対して告げる。
「その通りだ」
「ならばその証拠を見せてみるのだな」
こう言って斬りつける。しかしそれは。
ディスアストラナガンの鎌で受け止める。そうしてみせてだった。
「では見せてやろう」
「何っ!?」
「俺のその証拠をだ」
言いながら一旦キャリコのヴァルク=バアルから間合いを離してだった。
その胸を開き。そこからだった。
エネルギーを蓄える。それと共に。
「か、髪が!?」
「クォヴレーの髪が!」
ロンド=ベルの面々はここでまた驚くことになった。
白い彼の髪が青くなった。その青こそは。
「イングラム少佐の髪だな」
「ああ、間違いない」
「一度あの髪になったけれど」
「ここでも!?」
「じゃあその力も」
そしてだ。キャリコも驚きを隠せなかった。
「くっ、オリジナルの力か」
「俺と。イングラムの力だ」
こう返すクォヴレーだった。そのうえでだ。
「エンゲージ」
胸にエネルギーがさらに集められていく。
「ディス=レヴよ」
まずはこう言ってだった。
「その力を解放しろ!;テトラクテュス=グラマトン!」
「!?それは」
「さあ、時の流れを垣間見ろ!」
キャリコに対して言った。
「アイン=ソフ=オウル!」
クォヴレーの身体にイングラムの精神が重なった。その表情も。
「貴様、やはり!」
「デッド=エンド=シュート!!」
そしてその光が一直線に放たれだ。キャリコのヴァルク=バアルを貫いたのだった。
「くっ!」
「これで終わりだな」
大破したそのヴァルク=バアルを見ての言葉だ。
「貴様もな」
「おのれ、まだだ」
「まだやるというのか」
「くっ、俺はまだ」
実際にまだクォヴレーに向かおうとする。しかしだった。
ここでだ。エイスが出て来た。そのうえでだった。
「撤退するのだ」
「しかし、今は」
「最早戦力の七割を失っている」
気付けばそれだけなのだった。
「だからだ。いいな」
「くっ、止むを得ないということか」
「その通りだ」
「わかった、それではだ」
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