第九十一話 アレグリアス
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だがその中でだ。スペクトラは。
「いるか!」
「私のことかしら」
「そうだ、そこにいたな」
セレーナを見て言うのだった。
「それではだ」
「何かあんたいつもそうね」
セレーナはそのスペクトラを見ながら話す。
「私に来るわね」
「貴様だけは私が倒す」
こう言ってであった。
「何としてもだ」
「言うわね。けれどね」
「けれど。何だ」
「私もそう簡単にやられるつもりはないから」
余裕の微笑みを作っての言葉だった。
「それはわかっておいてね」
「ふん、あがくか」
「あら、人間あがいてこそよ」
早速攻撃が来たがそれをかわしながら言う。
「そうであってこそよ」
「醜いものだな」
「醜いっていうかそれが素直なのよ」
「何処がだ」
「あんただってあがいてるしね」
懐に飛び込む。そうして鞭を繰り出しながら言ってみせる。
「今もね」
「私があがいているだと。戯言を」
「これが戯言じゃないからね」
「何処がだ、私が嘘を言っているのか」
「嘘じゃなくてね」
そうではないと告げてからだった。
「自分で気付いてないだけよ」
「まだ言うのか」
「だから。あんた今私を倒そうとしてるわね」
「それがどうした」
「それがあがいてるってことよ」
こう彼女に言うのであった。スペクトラにだ。
「そうして私を倒そうって必死に向かうのがね」
「ではだ。どうするつもりだ」
「私もあがくのよ」
そうするというのである。
「そして倒されないようにするのよ」
「ならばそうしてみるのだな」
ヴァルク=イシャーの右手に剣を出しての言葉だ。
「この私の手から逃れてみよ!」
「ええ、そうさせてもらうわ」
セレーナも攻撃を繰り出す。
「こうしてね!」
「くっ!」
両者の攻撃がぶつかり合う。二人の戦いも激しくなってきていた。
その中でだ。戦局は膠着していた。
「今はです」
「我慢する時ですね」
「はい、こうして攻防が拮抗している時こそです」
ルリはここでもユリカに話していた。
「耐えてです」
「そして機を見て」
「仕掛けます」
こう言うのであった。
「その為にも今はです」
「わかりました」
ユリカもルリのその言葉に応えて頷く。
「それでは」
「あとは」
ルリはここでセレーナとスペクトラの戦いを見た。
「セレーナさんは」
「援護射撃はできますか?」
ユリカはすぐにルリに問うた。
「セレーナさんの」
「いえ、それは」
「それは?」
「止めた方がいいです」6
こう言って止めたのであった。
「アイビスさん達がおられます」
「だからですか」
「はい、そうです」
こうしてだった。ナデシコは二人の戦いへの介入はしなかった。そしてだ。
アイビ
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