第九十一話 アレグリアス
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対に」
「あいつ等幾らでも」
「そしてここにいる限りは」
八雲はさらに話す。
「やがては」
「食べ物がなくなって」
「遂には」
「餓死、ですね」
最悪の末路が言葉となって出た。
「それしかありませんね」
「えっ、それってないよ」
「そうだぜ、ちょっとそれはよ」
アラドと甲児が思わず声をあげた。
「俺飯食わないと死ぬんだぜ」
「俺だってよ。五人分食わないとちょっとな」
「これは」
八雲は彼等の話を聞いてだ。真剣な顔になって言った。
「最後は近いかも知れませんね」
「あの、八雲さん」
キムが思わず突っ込みを入れた。
「そこで真剣に言ったら」
「駄目だったかな」
「本当になってしまいますから」
だから駄目だというのである。
「食べ物はまだありますけれど」
「けれど。皆よく食べるから」
「ですから本当のことでも言わないで下さい」
「おい、君も今言ったじゃないか」
レイヴンがそのキムに言う。突込みが突っ込みを呼ぶ。
「只でさえ我々の部隊には大食漢が多いというのに」
「レイヴンさんも言っていますけれど」
エマが彼に言うのだった。
「ですから。ここから脱出することですね」
「そうだ。それだ」
「でしたら落ち着いてですね」
「ちょっと、エマさん俺マジなんですよ」
アラドは真剣な顔で言う。
「本当に食わないと死んじゃうんですよ」
「これ本当なんです」
ゼオラがそのアラドのフォローに来た。
「この子食べないと駄目ですから」
「だから大丈夫だからね」
エマは困った顔で二人に話す。
「二人共落ち着いてね」
「これが落ち着ける状況ですか」
「食べられないなんて」
「何か状況を履き違えていないか?」
マシュマーが騒ぐ面々を見て首を捻る。
「問題はそこではないだろう」
「つまりあれですよね」
ゴットンは冷静だった。
「ここから脱出できないと先はないってことですよね」
「そうだ。食べられないという問題ではないだろう」
「おい、だから餓死するんだぞ!」
甲児はマシュマーにもくってかかる。
「そうなったらあんたもハマーンさんへの忠誠がな」
「何っ、それは大変だ!」
こう言われると我を失うマシュマーだった。
「ゴットン、何としてもここから脱出するぞ!」
「結局こうなっちゃうんですね」
「私は生きて戦う義務がある!」
マシュマーも騒ぐ。
「その為にはだ!何としてもここからだ!」
「ですからここは騒いでもですね」
「バルディオスでは何とかできないかな」
マリンはふとこう思った。
「その転移能力で」
「流石にこれだけの部隊は無理だな」
大河が彼に述べた。
「それは諦めるぞ」
「そうなんですか。それじゃあ」
「今ある機体や艦艇で
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