第一物語・後半-日来独立編-
第二十二章 変化の始まり《2》
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、空には艦が制圧を主とした砲撃を、地上では隊員が日来を止めようと動く。
三分を切った今、時間が経つにつれ黄森の勢いが増していく。
止まらぬ時間が彼らを動かしている、と言っても過言ではないだろう。
「やはり黄森の地上部隊は外交区域や貿易区域を制圧しに行っているな」
「空からの砲撃は防御壁により防いでいるが、地上は防御壁を障壁代わりに発動するだけで、抜け道は幾らもあるからな。ほんの時間稼ぎしかならんか」
学勢達から離れた場所いる社交院の鷹代と、葉木原が社交院用の映画面を表示し日来の状況を確認している。
二人の後ろからは、神崎と倉澤が映画面を覗くように顔を動かしている。
セーランはそれを目に捉え、
「防御壁は誰が操作してんの?」
社交院の面々に問い掛ける。
少しの間が空き、社交院の四人がセーランの方を向いた。
セーランの問いに答えるのは葉木原だ。
「機械人形だろう。彼らは操作系には長けているからな」
「そう言えば、“日来”のようなもんが他にも沢山あったな。そいつらも機動してるのか」
「補助として機動しているだろう」
そうか、とセーランは解ったように言った。
呑気にあくびを一つ。背筋を伸ばすように腕を空に向かって上げる。その空には艦からの砲撃が連続して発射されている。防御壁で防がれるが気にはしない。
何を思ったのか、セーランは物思いに更けるように空を見た。
まだ正午にはならない。だが、時間は刻々と刻まれていく。
焦りはしないが、早く行きたいと心が思う。
もう二度と、好きな者を失わせないために。
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