第一物語・後半-日来独立編-
第二十二章 変化の始まり《2》
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院が見ている形だ。
「このままほっとけばいけるのでは?」
「駄目だよ天布、そんな安易な考えは。例え日来が無事に行けたとしても、まだ日来には黄森の隊員がいるし、周りには戦闘艦があるからね」
「グレイの言う通りですわ。私達の最終目的は日来の独立。その前に辰ノ大花に行くわけですが、そこではここよりも激しい戦闘が予想されますわ。出来るだけ日来への被害は、わたくし達も含めて少ない方がいい。やらなければ、その分の被害をこちらが受けることになりますの、よ!」
ネフィアは銀の腕輪を縄状に変化させ、会議場に近付こうとしていた黄森の隊員を縛り、遠くへ放り投げる。
加護を発動していれば大して意味の無い攻撃だ。ネフィアに続くように、流魔操作で動きを封じていた隊員を宙に浮かばせているセーランが、顔を上げ隊員を見ながら、
「今は治安関係だから学勢担当。まあ、俺達じゃなくて後輩達が頑張ってるから今は楽だな。俺達は辰ノ大花に着いたときが本番てわけ、だ!」
セーランはバラバラに浮かんでいた隊員を一つにまとめ、上空に見えるドラゴン級戦闘艦の甲板へと放り投げた。
わ、と声が聞こえて数秒後。無事に見事、甲板へと落ちた。
上空からは隊員が何か言っているようだが、離れているせいもあって何を言ってるのか分からない。
『おい馬鹿長! いきなり黄森の隊員が攻めて来て大変なんだ、こっちに増援寄越せないのか』
突如、セーランの眼前に映画面が表示された。
見知った男性の顔が映り、息を切らしながらこちらに向かって言葉を飛ばした。
背後には他の生徒も映っており、制圧行動のために彼らを取り押さえようとする黄森の隊員と交戦中だ。場所は見た感じ、日来学勢院高等部校舎の校庭だろう。
「だーかーらー、もう馬鹿設定無しって言ったろ? それにお前達四組は戦闘系の奴だけだから大丈夫だろ」
『馬鹿野郎! 今、高等部全生徒は各区域に行って黄森の奴らと交戦中だ。こっちは少ない人数で初等部、中等部の方も防衛してるってのに、一組の奴らは呑気だな!』
「俺達は辰ノ大花行ってからが本番なんでね、こんな所で疲れ溜めてたらいけないの」
映画面に映る男子生徒は怒りが少し込み上げ嫌そうな顔をしたが、辰ノ大花という言葉を聞いて表情は緩む。
『わーかったよ。馬鹿長が恋人救うためだもんな、その代わり……解ってんだろ?』
「俺達の見せ場は後半、だから前半の今はお前達の見せ場だ」
その言葉を聞き、男子生徒は高笑いをした。
『ははは! そうだったな、ならそこでゆっくり休んでな。俺達はお前達の引き立て役だ、良いとこ持ってけ泥棒が』
「あんがとな」
『後三分、どってことねえよ』
笑うセーランと男子生徒を繋ぐ映画面が消えた。男子生徒が戦闘を開始するため、邪魔なので消したのだろう。
日来には轟音が響き
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