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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十二章 変化の始まり《2》
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緊迫した空気が流れ、そのなかで隊員は自身が成すべきことをする。
 この艦の隊隊長は眼前の映画面|《モニター》に映る日来の地を見ながら、ものを考えるように顎に握った手を付けた。
「そんなことをすれば中立国の二印加奈利加|《トゥーエン・カナリカ》だろうと敵に回ることになるが……」
「二印加奈利加もラグナロク級戦闘艦を保有してますからね。注意するのは残り一艦を所持している他勢力群|《イレギュラー》ですね、一体どの勢力が何処に隠してるかさえ分からない状態ですから」
「それを今考えても仕方がない。さあ――」
 年のいった隊長は息を一息、肺に空気を送り込む。肺一杯に溜まった空気を全て押し出すように、各艦に繋がっている映画面に向かって声を出した。
「総員よく聞け! これより日来の制圧行動に入る。指示は各隊の隊長の指示に任せ、その指示に従うように。学勢達に格好の悪いところ、――見せんじゃねえぞお!!」
「「了解!」」
『『了解!』』
 仲間達の声が耳に届く。気合いが入っている、やる気のある声だ。
 日来の者達は、この場所を消させないために戦いに向かっている。ならば、こちらはこれから現実に立ち向かって行く黄森の学勢にこれが大人だと、かっこつけられるように戦うだけだとそう思う。
 意志と意志の戦い。
 この五分間の戦い。最後に勝つのは、意志の強かった方だ。



 会議場にいる者達は学勢、四人の社交院を除き安全の方を優先し社交領の建物のなかへと身を隠す。
 空を行く艦は砲撃を放ってはいるが、やはり防御壁に阻まれ効果は無い。
 ここだけではない。日来の全土がこのような状況だ。
 横型車輪陣を組んでいたワイバーン級戦闘艦は陣を崩し、日来の地を低空飛行をしながら制圧行動を取っている。主に砲撃による威嚇。下手に動くな、と意味が隠った砲撃だ。
 地上で監視を行っていた黄森の隊員も、各隊の隊長の指示に従い動いている。抵抗する者を取り押さえて、下手な動きをしていないかと四方八方、視界を動かしながら手に持つ長銃を握り締める。
 更には空から轟音が響き、残り二艦のドラゴン級戦闘艦が全体の大まかな指示をしていた。
 だが、やられるだけの日来ではない。
 彼らの動きを阻むため、地上には流魔による障壁が造られ迷路のように行き先を阻む。
 闘争心が強い者は、身近にある調理器具や棒状の木材を持ち黄森の隊員に立ち向かう。
 大地が、空が、日来が震える。
 この空気は会議場にいる者達にも伝わっている。
 近くから、遠くから声が聞こえる。日来住民の声、黄森の隊員の声が混ざっている。
「残り四分ちょっとか……」
 飛豊は隣にいるレヴァーシンクが表示した映画面|《モニター》を見ながら言う。
 今、会議場の学勢達の殆どは円陣を組んでいる。それを遠くから社交
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