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とある組織の空気砲弾(ショットガン)
第四話 空気砲弾(ショットガン)
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在しない女性からの着信を待ち続けて、学校を休んだ。
 筋金どころか鉄筋が入っている。

 だが、そんな明らかにマニア向けのCDなど存在しない。一から作ってやるのも馬鹿馬鹿しい。



 そもそも、鷹見が勝つなどあり得ない。

 奴が勝てる確率は、高くても、一%しかないのだから。



……
…………
………………



(フフ……、馬鹿め!)

 鷹見は心の中で呟いた。
 できることなら腹を抱えて笑い転げてやりたいと思っている。

(自分から負けに来るとはな。灯影月日、愚かな男よ!)

 鷹見は月日という男を熟知している。
 彼は知っている。月日のテストに対する傾向を。それは裏付けられている。

 だから、自分は一点高いだけでいい。


(さあ、戦いの鐘よ鳴れ! そして、勝利の福音を鳴り響かせろッ!!)


 こうして、二人のちっぽけな戦いの始まりを告げる鐘(チャイム)が校内に響いた。



…………
………………
……………………
…………………………



――キ〜ン、コ〜ン、カ〜ン、コ〜ン


 時は過ぎに過ぎ、放課後。
 それを合図に生徒達のほとんどは帰宅し、教室に残る人間は少ない。
 だがそんな一角で、どんより沈んだ雰囲気が立ち込めている。

(何故だ? 何故こうなった!?)

 自問ばかりで自答ができない。
 どこで間違えたのか…。
 どこの選択肢がいけなかったのか…。
 最後にセーブしたのどこだっけ?

 彼の頭の中では、それらが無限ループしている。
 だが、いくら悩んだところで事実は変わらない。

(何故だ? 何で―――)
「何でお前は……!」


 バンッ! と机に叩き、突然立ち上がる。
 そして、すぐ側に立っている友にこう言った。

「何でそんなに平均点が高いんですか月日さーんッ!!」

「黙れよ。うっかり引き金引いちゃうだろ?(笑)」

―――ガチャッ!!

 額に当てられる銃口。なんだろうな、デジャヴ? 今朝も同じ事をしたような気がしてならない。
 でも当てられている本人は気にしていない。というより、それどころではないようだ。

「だって……だってよ、おかしいじゃんか……!?」

 俯く鷹見。その握り締めた拳は、震えている。

「鷹見…」

 それが悔しさからなのか、または憤りからなのか、月日にも解らない。

「だって、そうだろ?」

 意を決したように鷹見は月日の顔を見る。むしろ、睨み付ける。
 そして、

「お前ェ! 今回のテスト、平均点六〇にするって、“言ってた”じゃねーか!!!」

 怒鳴りつけるように吐き捨てる鷹見。

「はぁ……」

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