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とある組織の空気砲弾(ショットガン)
第四話 空気砲弾(ショットガン)
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「「…はぁ」」

 二つの溜め息が重なる。
 一つは机に突っ伏す鷹見のもの。もう一つは壁に背中を預ける月日のもの。
 鷹見は酷く疲れており、動く気力もない様子。
 一方の月日は、

「晩飯、何にするかな…」

「お前の悩みはそこか……」

 ツッコミにキレがない。本当に疲れているようだ。
 無理もない。この男、天才うさみみ博士を探すためホームルームをサボって校内を駆けずり回っていた。更に担任の説教を一時限中受けるハメになった。
 お陰で一時限目は自習である。

「お姉様、嗚呼お姉様。お姉様……」

「いい加減にしろよ。いないんだよ。あの人、『超電磁砲(ここ)』じゃ眉毛の中の人やってるんだから」

「ユメもキボーもない事言うなよ!……あぁ、あの世界に行きたい。そして、生きたい」

「無理だな。Mr.唐変木がいる限りお前に明日はない」

 おそらくいてもいなくても勝ち目なんて皆無。
 月日は鷹見という男を熟知している。
 だから、この世界以外ではモブキャラで終わるのが関の山だ。そもそも、変態の需要はかなり薄い。鷹見が生きていくには過酷な環境だろう。


「諦めろ。真夏の蜃気楼だったとな」

「だってよぉ……」

「それよりもお前は、もっと別の事を心配しろ」


 「は?」とマヌケ面でこちらを見てくる鷹見。その顔に無性に鉛弾をブチ込んでやりたくなったが、とりあえず我慢する。
 月日曰く、ホームルームで期末テストが各時限に返却されると担任が通達していった。
 この結果で、夏休みを楽しめるか補習で喰い潰されるかが決まる。

「フフ……」

 何故か不敵に笑う鷹見。本当に壊れたか、と月日が心配する程に。

「自信あり気だな?」

「あぁ、猛勉強したからな…。平均六〇点以上は、いったな……!」


 と言っても月日の家に押し掛け、勉強会紛いな事をしていたに過ぎない。
 できない者同士の傷の舐め合い程度でこの自信、一体どこから湧いてくるのだろうと不思議でしょうがない。


「あんまり期待しすぎると、ショックがデカくて廃人みたくなっちまうぞ」

「フフ……、大丈夫だ。賭けてもいい」

「じゃあ、俺が平均点で勝ったら、お前の赤点一つにつき、二千円没収な?」


「いいぜ」と鷹見は余裕を崩さない。「我の見返りは何だ?」

「そうだな、『おはようからおやすみまでお姉さんとの優雅な一日 〜頭と耳が幸せ編〜』と言うCDでどうだ?」

「のったぁぁぁぁッ!!」

 たった一言で鷹見は復活した。どこまで単純で姉属性LOVE思考なのだろうと月日は小さく溜め息を吐いた。

 昔、冗談で公衆電話から鷹見のケータイに変声してかけた事があった。その後一週間、彼は存
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