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セビーリアの理髪師
22部分:第二幕その六
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い。宜しいですか?」
「うん、それじゃあ」
 頷き合う。二人は今会心の笑みを浮かべていたがそれは一瞬のことだった。何とここでとんでもない人物が家の中にやって来たからだ。
「どうも、遅れまして」
 バジリオだ。帽子を取って深々と一礼して家の中に入る。皆そんな彼の姿を見て思わず声をあげそうになった。驚いているどころか凍り付いている者すらいる。
「何でここに」
「しまった」
「困ったことになったぞ」
 ロジーナと伯爵、フィガロはそう呟いて困惑する。戻って来ていたバルトロは目を顰めさせていた。
「風邪ではなかったのか?」
「風邪!?」
 バルトロのその言葉を聞いたバジリオは目をしばたかせる。

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