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帝国陸軍-唯依Side-
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彼の長刀は振り切ったと思った地点から急激に方向をかえ、避けたと思った私を更に襲った。
その攻撃はどうにか後ろに一歩さがる事で直撃は避けれたが、突きつけていた突撃砲は真ん中から綺麗に切られてしまった。
これはもう使えない。
そう判断した私は長刀を手に持ち、今度こそ斬るモーションが終わった撃震に切りかかる。
これは捉えた!
「え?」
捉えたと思い、その場で大破判定を喰らったと思った撃震は私の不知火の上を飛んでおり、先程まで構えていた長刀は何処に行ったのか、既にその両手には突撃砲が握られており、余りの出来事に動けなかった私は二つの突撃砲から出る弾丸をもろに喰らってしまい、大破判定が下された。
目の前に表示される大破判定の文字。
先程まで目の前にいた撃震が上空を飛んでいたと言う非現実。
私の頭の理解がおいつかなかった。寧ろ理解する事が出来なかった。
あの機動は本当に撃震なのか?寧ろ撃震に可能が動きなのか?そう思わざるを得ない程の華麗な動き。見事な機体捌き。
「どうだった?」
そんな混乱している時に入ってきた彼からの通信。この人は本当に凄い人だ。その思いしか出てこなかった。
「もう何が何だが…有り得ない物を見た気分です」
「ハハハ!そうだろうな。俺もXM3を搭載した奴の相手をした時は手も足もでなかった。…と言ってもそいつがXM3を搭載していなくても俺は勝てないんだけどな」
こんな動きを見せる彼が勝てない相手?その人はどんな機動をするのか…私には想像する事も出来なかった。
「まぁ取り合えずXM3を使えば旧型の撃震でもこれだけの機動を取る事が出来る。乗ってる衛士によってはこれ以上の動きをする事が可能だ」
…正直言うと今回の戦闘の結果には彼の腕も影響している気がかなりするが…当然それを言い出す度胸が私にもなかった。
「それじゃあ次は唯依中尉がXM3に乗ってみるか?俺が教える事も出来るが」
…!
「是非お願いします!」
彼にXM3を直接教えてもらえる。その事を聞いた私は迷うことなく、彼にお願いするよう頼んだ。
「ああ。それじゃあ一度外に出よう」
「分かりました」
それを最後に通信を切り、シミュレーターの電源も落とし外へと出る。
そしてそのまま彼の元へ行こうと思ったのだが…私が外に出ることによってまず最初に見たのは彼の姿ではなく、驚きの表情を浮かべる帝国軍の衛士の山だった。
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