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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
帝国陸軍-唯依Side-
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分の耳を疑ったが、視界に写る彼の表情は至ってまじめ。恐らくは旧型の撃震でも不知火並の動きがとれると言う自信の表れなのだろう。

「分かりました。装備設定は?」

「俺は突撃前衛の装備でいかせてもらう。唯依中尉はどうする?」

 …私にも衛士としての誇りがある。彼と同じ土俵で戦いたい。

「私も突撃前衛でお願いします」

「分かった。フィールドの設定は市街地でいいな?」

「大丈夫です」

「よし。なら今から二分後に一対一形式の模擬訓練を行う。分かったか?」

「了解!」

 その言葉を最後に彼との通信が切れる。

 …今から二分後に彼の腕と…XM3の性能をこの目で確かめる事が出来る。

 日本開発主任の私はその性能をより詳細に確認しなければならない。だからこそ…このシミュレーター訓練で手を抜くことはしない。腐っても私は近衛兵。その実力は並の衛士より高いものだと自負している。決して傲慢している訳ではないが、私の腕が多少良いのは事実だ。

 そしてこれから始まる彼との戦闘を待つこと二分。シミュレーター内のアラームが鳴ると同時にシミュレーターは開始された。

 CP将校がいない為、相手の動きは自分で全て捉えなければならない。

 開始直後、不知火の動きをとめる事なく、彼が居る場所であろう開始地点に回りこむように迂回する。

 未だにレーダーに反応はない。

 そう思った矢先、自分の後方から敵影の反応が現れた。

「後ろ!?」

 恐らく私が不知火の性能を考え、責めて来ると予想を立て、最初から真ん中を突っ切っていったのか?それしか方法はないのだが、これだけのビル郡をそうも速く抜けれるものなのか?

 当然の疑問が頭の中に浮かぶが、その答えを考えるよりも早く不知火の進行方向を真逆に変える。

 そしてその瞬間鳴り響く警告の音。

「っく!」

 咄嗟に跳躍ユニットを使い、隣のビルに飛び移る。先ほどまでたっていた地面に降り注ぐ弾丸の雨。

 弾丸が飛んできた方に視線を向けると其処に居るのは当然彼が乗っている撃震。

 撃震を視界に捕らえた瞬間、私も反撃に移るためビルとビルの間を縫うように移動しながらもビルの隙間から突撃砲を発砲する。

 だが不知火の機動性を最大限に活かし、三次元機動を使いながら、ビルの影を使いながら攻撃しているのに、彼が乗る撃震に当たることはない。寧ろ目を見張る程の機動を逆に見せ付けられ、それに驚いた私が被弾してしまう事もあった。

 何だあの機動は?それに驚く暇なく、後ろから長刀を手に持ち突撃してきた激震の攻撃をどうにか避ける。

 当然長刀の攻撃を避けたのだから、長刀を振るった激震はそのまま体が流れると思い、その隙に突撃砲を突きつけたのだが、
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