暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
災禍を振り撒く者
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ジョニーとザザの姿は、いつの間にか無い。

──本気で殺れ合える。

灼熱した思考の片隅でそんな思考が一瞬だけ浮かび、消える。

そんな思考も、墜ちていく。

狂気の中に、墜ちていく。

血色に染まったPoHの両眼を、同じ血色に染まった両眼でレンが睨み返した。

《鬼》が──

嗤いあう──










どちらから動いたのか、記憶には無い。

ただ気が付いたら、戦っていた。そんな感じ。

互いの眼は、それぞれ真っ赤に染まり、互いの得物は、それぞれどす黒く光り輝いていた。

『wow!楽シいなァ、オイ!!』

『楽シイネェ!!本当ニ楽シイ!!』

どちらからともなく嗤う。

天使のように笑い、悪魔のように嗤う。

引きちぎれたように。

混濁したように。

焼け爛れたように。

笑う。嗤う。哂う。わらう。ワラウ。

嗤いながら、互いの得物をただ無心に打ち付けあう。その全ての一撃は重く、そして鋭い。一撃当たっただけでもHPバーが消し飛ぶ。そんな攻撃。

だが、互いの脳裏にはその一撃一撃にかけられる思惑とは全く違う思考が浮かんでいた。

このヒリヒリした瞬間がもっと続けばいい、と。

レンだったモノはPoHの顔を見る。

PoHの顔は嗤っていた。

PoHはレンだったモノの顔を見た。

レンだったモノの顔は哂っていた。

不思議なことに、戦えば戦うほどに周囲の時間がどんどんゆっくりになっていくように感じられる。だが、互いの動きだけは欠片も緩まない。

視界がどんどん血色に染まっていく。その中央に、不自然に点滅する文字が現れる。

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