スイルベーン
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目を覚まさせる。
「痛い!」
「よう、キリト。ようやく起きたか」
そう言うと、キリトは頭が混乱しているようで頭を掻きながら記憶を整理していた。そして思い出したのか、リーファをジト目で見る。
「ひどいぜリーファ。俺飛行恐怖症になっちまうよ……」
リーファは腰に手を当てながら笑いを噛み殺していた。
「君が調子に乗ってあんなスピード出すからだよ〜。しかし、ゲツガ君と違ってモロにぶつかったのによく死ななかったね」
「うわ、そりゃあんまりだ。っていうか、何でゲツガはダメージを食らってないんだよ……」
そして肩をすくめながら立ち上がるキリト。大きく体を伸ばした後、辺りを見渡すとまたいつもの表情に戻った。
「おお、ここがシルフの街か」
「綺麗だな〜」
「そうですね」
「でしょ!」
リーファはそれを聞いた途端、うれしそうな顔をして言う。行き交う人を見入っていると不意にリーファを呼ぶ声が聞こえた。
「リーファちゃん!無事だったんだね!」
そちらに顔を向けると手を振りながら近寄ってくる黄緑色の髪をした少年シルフがいた。リーファはその男に手を振りながら答える。
「あ、レコン。うん、どうにかねー」
「すごいや、あれだけの人数から逃げ延びるなんてさすがリーファちゃん……って……」
今更のようにリーファの横に立つキリトとゲツガに気付くと数秒間口を開けたまま立ち尽くす。
「け、ケットシーはともかく何でスプリガンが!!何で!!」
飛び退り、腰のダガーに手をやろうとするのをリーファがあわてて制する。
「あ、いいのよ。レコン。この人が助けてくれたの。こっちの人は助けてくれたケットシーの友達」
「へっ……」
唖然とするレコンといわれる男に手を差し出し握手を求める。
「俺はケットシーのゲツガって言うんだ。よろしく」
レコンは流されて自分もそうしてしまう。
「あ、僕はシルフのレコンって言います。よろしく」
「俺はその友達のキリト。スプリガンだ」
「あ、どもども」
レコンはぺこりと頭を下げながら握手する。そして我に戻ってから再び剣を構える。
「嫌そうじゃなくて!こいつら本当に大丈夫なの!?スパイとかじゃないよね!?」
「大丈夫よ。このケットシーの人は悪い人柄に見えないし、初心者だから絶対にない。それと、こっちのスプリガンは、スパイにしては天然ボケが入りすぎて話しにならないと思うよ」
それを聞いて、二人とも腹を抱えて笑う。それにムカついてキリトが蹴りを飛ばしてくるがそれを軽く避ける。そしてレコンはしばらく疑惑の目を向けていたがやがて咳払いをする。
「リーファちゃん、シグルトたちは先に水仙
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