第二章 A's編
第三十四話 『お引越し(後編)』
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知らず首を傾げる。
一方で、アリサは手に納まっているアルフ(子犬バージョン)を見て、
「うーん………どこかでアンタの事、見た覚えがあるんだけど…気のせいかな?」
「ワオンッ!?」
姿は狼形態に比べればかなり遠のいたというのに勘だけでそこまで言い当てるアリサの直感力はすごいものがある。
どこかアルフは冷や冷やした顔をしているのは、以前お世話になったのだから仕方がない。
そこに一人の眼鏡をかけた青年…今は普段着だがアースラスタッフの一人、ランディが一つのケースを持ってきた。
ランディはフェイトに声をかけて、
「あの、ランディさん。これは…?」
「リンディ……っと、リンディさんからの贈り物と思ってもらっていいよ」
全員はそのケースの中を見て驚いた。
それで今現在、翠屋の中で高町夫妻と話をしているリンディの場へ急いで駆けていった。
その中で冷静に場を見守っていたシホはランディに話しかける。
「…ケースの中身が聖祥大附属小学校の制服っていう事はもうフェイトの聖祥入学の手続きは終わったんですか?」
「うん。週明けにフェイトちゃんは聖祥に入学する予定になっているよ」
「相変わらず手回しが早いですね…。やっぱり色々と大変だったんじゃないですか?」
「そこは、ほら…ひとまず艦長の手腕ってことで…」
「それを職権乱用ともいいますけど、まぁそれでフェイトが喜んでくれるなら私は構いません」
「手厳しいね…でも、確かにフェイトちゃんには効果覿面だったろうね。お店の中を覗いてみてもそれがよく分かるから」
お店の中では顔を赤くしながらリンディに感謝の言葉を送っているフェイトの姿が映っていた。
それでシホも微笑を浮かべた。
それを見てランディが少し頬を染め、必死に平静の表情をしていた。
だが、心の中で『僕はロリコンじゃない…僕はロリコンじゃない…僕はロリコンじゃない…クロノ執務官と一緒くたにされたくない…!』とクロノにとって失礼極まりない事を念仏のように唱えていた。
ちなみに一緒に残っていたフィアットはその視線に気づいてかランディを睨んでいたり…。
………そして、とうの本人であるクロノはなぜか謂れの無い怒りを感じて休憩中に飲んでいたリンディ茶(エイミィが隠れて仕込んだ)を飲んでも気づいていないのか全部飲みきってまた仕事を始めていたり…。
そしてそれを見て「あれ…?」と予想が外れたような表情をしたエイミィの首をかしげている姿があったり…。
まだ設定確認の終わっていない他のスタッフが「南無南無…」と祈っていた。
しかしなんでもないように仕事を再開したクロノを見て『ついにリンディ提督に辿り着いたのか!?』と違った意味での尊敬の眼差しを向けられていたりと…。
中々に場はカオスチックな事になっていた。
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