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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第二十五話「実証」
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核シェルターですらバターのように切り裂いてしまう様な魔剣に対しては今まで使っていたダガーは余りにも不釣合いだったのだ。オマケにシャルティエは羽毛の如く軽い。リオンはもう慣れていたがそれでも長剣が短剣よりも軽いというのは振っていて奇妙な物である。性能が良すぎるというのも考え物、と言うことだ。
それ故にこの小刀のデバイス(試作品に付き無銘)はよくリオンの手に馴染んでくれた。コレも魔法が関っているのか、デバイスの小刀はシャルティエに同じく羽毛の様な軽さだったのだ。シャルティエが不機嫌なのもリオンは気にならなかった。

「(エレギオ。掃討は完了したぞ)」

「(了解。地図はわかるな? そのまま第五区画に向かってくれ)」

次元輸送船『オリアナ』
それが今ツァーライト一味が襲撃している次元艇の名前だった。とある物語の登場人物の『運び屋』を営む魔道士から取った名前だと言う。名前の由来となった魔道士は『追跡封じ(ルートディスターブ)』とも呼ばれ追っ手を()くことに関しては右に出るものはいないとまで評される女性との事らしいが残念ながらこの輸送船は名前の由来となった彼女の様には行かずエレギオの『天上眼(セレスティアイ)』に捕われてしまった。何人かの管理局員が船内に警備員としていてリオンに襲い掛かったが彼らがどうなったのか態々説明する必要もあるまい。

「(ついたぞ。第五区画だ)」

「(ん。そこから10m下に食料庫がある。シールを貼り付けてきてくれ)」

「(了解)」

短い返事で念話を切り上げリオンは試作デバイスの小刀を懐にしまった。それによって開いた左手で見えない何かを掴むパントマイムのような動きを始める。ゴゴッ!! とうねりを上げてリオンの左手には見えない力が集まっていった。やがてリオンがそれらを掴み取るように左手を握るとそれらの力は変化を始めた。

紫に光る。圧倒的な力を発する槍の形に。

屈伸の要領で体をばねのように使って飛び上がる。そしてリオンはシャルティエと声をそろえた。

「「デモンズランス!!」」

最早御馴染みと言っても過言ではない晶術『デモンズランス』がその破壊力を情け容赦なく発揮する。リオンの手を離れた闇の晶力が床に当たった瞬間メキメキメキィッ! と音を立てて食い破った。その余波が下に居た管理局員&船の一般乗組員数名を纏めて吹き飛ばす。飛び上がったリオンはその床に開いた穴を通って下の階に着地した。普通の人間なら間違いなく足の骨を粉砕してしまう高さ10m。リオン・マグナスにとっては何と言うことも無い。平然とした様子で降り立った彼は周りを見て眉をひそめた。

「(非殺傷設定と言うのも万能ではないな)」

戦艦の頑丈な壁すら貫く『デモンズランス』当然ある程度の加減をしたとは言えそんな物を身に受
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