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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十六話「弟子」
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、まさに天高くそびえ立つといった言葉が似合うようなマンションが……。


「ここって、ライブラマンションじゃないですか!」


 ここ数年前に新設された高級タワーマンション。一階がショッピングモール、二階が映画館、そして三階から五八一階までが居住区となっている超高層マンションだ。ここに住めるのは金持ちの中でも一部の人しか住めないって聞いたことがある。


 そんなマンションに住んでる先生って……。


 唖然としていると、追い打ちをかけるように先生が言う。


「言っておくが、このマンションすべて俺のものだぞ?」


「……は?」


「だから、このマンションそのものを購入したんだ。まあ、部屋数はそれこそ腐るほど余ってるから他の入居者に貸してるがね」


 ……開いた口が塞がらないよ。先生っていったい何者なんだろう? どこかの資産家の息子とか?


「ほら、いつまでも突っ立ってないで、さっさと行くぞ」


「あ、はい」


 促されて先生の後に続く。


 先生はショッピングモールの中心にある円柱状のエレベータに乗ると、懐からカードを取り出して差し込んだ。


 一から五七九階までのボタンが点灯する。


「入居者が持っているこのカードを使わないと使用できない、入居者専用のエレベータだ。そして――」


 ポケットから取り出した鍵を差して回すと、パネルの一部分がスライドして五八〇階と五八一階のボタンが現れた。


「俺の部屋は専用の鍵が無いと通行できない」


「映画とかでは見たことあるけど、始めて見た……」


「まあ、普通はあまりお目に掛かれないだろうな。特に、普通の生活を送っている奴はな」


 肩を竦める先生。確かにと思う。


 エレベータは五十人は優に入れるらしく、凄い早さで滑るように上昇した。みるみると眼下の光景が模型サイズまで小さくなっていく。


「ついたぞ」


 チン、という軽快な音とともに扉が開いた。


「うわぁ……」


 そこはまるでホテルのような構造だ。


 足元のレッドカーペッドは埃一つなく清潔感が保たれており、両サイドには等間隔で個室がある。しかも個室は十五畳ほどの大きさであり、中にはリビングやバストイレも完備されているらしい。個室の中だけで生活できるようだ。


 天井には大きなシャンデリアが吊り下げられている。


 先生は一番奥の扉を開くと、テーブルの上に鞄を置いて、ハンガーに背広を掛けた。


「さて、早速修業をつけるとしよう。ついてきなさい」


 再びエレベータに乗った俺たちは最上階に向かった。


 最上階も下の階と変わらない構造
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