暁 〜小説投稿サイト〜
失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十六話「弟子」
[3/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
無事終え、帰宅準備も済ませた俺は正門前で青野の到着を待っていた。
既に青野の訓練内容は考えてある。後は彼の頑張り次第だ。
肩に乗ったハクとスキンシップを図りながら時間を潰すこと十分。大きなリュックを背負った青野が息を切らしてやって来た。指示した通り、なかには替えの着替えが入っているのだろう。
「すみません、遅れました」
「いや、大して待っていないから大丈夫だ。ん? 朱染も一緒なのか」
青野の隣には銀色の髪を靡かせた萌香の姿があった。
萌香は眉根に皺を寄せながら何故か俺の顔を凝視ている。
「どうした朱染。そんなに睨まれる覚えはないんだが」
「あ、いや、すまない……。なんだか先生とはどこかで会ったような気がしてな」
――流石に封印しても、記憶に引っ掛かるところが出て来るか……。
俺個人としては覚えていてくれて嬉しいやら、思い出したらと思うと不味いやら、複雑な気持ちだ。
いくら封印処置を施しているといっても六年も前の話。いずれ記憶が戻るだろうが、それはまだ今ではない。
「おいおい、いつも教室で会っているじゃないか。ボケるにしては面白くないぞ?」
「……そうだな。勘違いか……。すまない、忘れてくれ」
頭を振る萌香。その隣では青野が首を傾げていた。
「先生は月音の正体は知っているのか?」
「ああ、青野から聞いている」
「そうか……」
寮への道についた俺たちはここで萌香と別れる。青野を引き連れいつものバス停に向かうと、既にバスは到着していた。
「ヒヒヒ……久しいな少年〜」
「ど、どうも」
葉巻を咥えた運転手が低い笑い声を洩らしながら肩を震わせる。
席に着くと扉が閉まり、バスはゆっくりと前進した。
「あの、先生……?」
「これから俺の家に向かう。そこで修業だ。詳しいことは向こうについたら改めて説明するから」
――詳しい話を聞きたがる青野には悪いが、説明は後にしてもらおう。今後に向けて少しでも睡眠を取っておかないと……。
椅子に深くもたれ掛かりながら、しばしの休息を取ることにした。
† † †
「――こ、ここが、先生の家……?」
俺は呆然と目の前にそびえ立つ『家』を見上げる。
眼前にはショッピングモールがあり、平日にもかかわらず大勢の客で賑わっている。少し視線を上げると、二階には大型映画館があった。
そして、そこから更に視線を上げると
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ