第二十四話〜覚悟〜
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ミッドチルダ・廃棄都市
数分前までただ廃れた建物が並ぶだけであったその場所も今は見る影もないほどの戦闘の爪痕を残し続けていた。
その爪痕を刻んでいる1人と1機は今、少し距離を置き対峙していた。ライは戦闘が始まった時と同じく泰然自若とした佇まい。若干バリアジャケットの端々が傷つき汚れているがライ自信はほぼ無傷。
対して紅蓮弐式は特徴的な右腕は二の腕の辺りから断ち切られ、左腕に装備されているグレネードランチャーも切り裂かれている。今は左手に装備されている収束型AMF装備の呂号乙型特斬刀を構えているが、装甲にも複数の斬撃の跡が残っているためそこに力強さは存在しなかった。
ライ「……」
ライはいつもの指導キーを口にせずに足元に魔法陣を展開、加速魔法を発動させる。
紅蓮弐式は持ち前のスピードを生かしライに追随しようとするがそれは無駄な行動であった。
紅蓮弐式の周りには白銀の魔法陣が複数展開されている。それはライが“使用した”魔法陣。加速魔法を連続使用しライが置き去りにし、残った魔法陣であった。
ライがその加速を利用し紅蓮弐式の横を通り過ぎるように駆け抜ける。紅蓮弐式は細かい加速を使いセンサーでは追いきれないライを追いきれずに反応ができない。
一瞬の交差で決着は着いた。両足の関節部分をMVS状態の蒼月で切り裂かれていた。そのまま紅蓮弐式は崩れ落ちる。
まだ戦闘を続けようと左腕を動かそうとする紅蓮弐式。だがコクピットブロックにライは近づき一閃。行動を停止させた。
蒼月「敵機、完全に停止。レーダーに敵機の反応なし。増援はありません。」
ライ「チューニングシステムとパラディンとのシンクロシステムは?」
蒼月「どちらも不具合はありません。」
パラディン「こちらもです。戦闘前の微調整は完璧でした。」
戦闘中に見せた加速魔法の連続発動。これは蒼月1機では成せない。例えチューニングシステムで発動間隔を短くしたとしてもナイトメアのセンサーを振り切る程にはならない。例え無理に間隔を短くしようとしてもデバイスがその連続発動について行けず処理落ち、つまりはフリーズする。
そこで出てくるのがパラディンとのシンクロシステムである。これは蒼月とパラディンを接続し並列処理を行い、処理速度を向上させその問題を解決した。
このシステムは元々ライが飛行魔法を使用するために組み込まれたものであった。そもそも何故ライが飛行をできずに浮遊しかできなかったというとデバイスに入力されていた飛行魔法に関する命令が細かすぎたのだ。前述したフリーズの原因がそのまま直結している。
飛行魔法は無意識下で飛行や姿勢制御などを脳から指示している。ライはその指示が細かすぎデバイスが処理しきれずにフリーズ、結果浮遊しかできなかったのである
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