第二十四話〜覚悟〜
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乾いた声が漏れる音だけ。
ライ「貴様が強さにこだわる理由は分かった。だがそれはスバル・ナカジマの命を使ってまで証明すべきことか?」
ティアナ「………………え?」
ライの言葉の意味を理解するのにティアナは数秒を費やした。だがそれはティアナだけでは無い。その場にいた何人かがライの言葉を理解するのに数秒かかった。
ティアナ「…な、にを言って…」
乾ききった喉を震わせなんとか声を搾り出す。だがライはそんな彼女に吐き捨てるように言葉を重ねる。
ライ「あの模擬戦で最後、貴様が放とうとした砲撃魔法。それが貴様の思った通りに着弾していたらどうなっていた?」
その言葉を聞いてティアナはハッとした。
ライ「高町なのはの隣にいたスバル・ナカジマを巻き込んでいた。
さらに命令は聞いていると言っていたが、ホテルアグスタでの襲撃で無茶をしてでもガジェットを落とせと誰が命じた?」
ライは模擬戦の時になのはにしたように言葉でティアナを追い込んでいく。
ライ「貴様は誰かを傷つける力が欲しいのか?
何のためにその引き金を引く?
貴様が無茶をし死んだ場合、次に誰が傷つき、命を落とす?」
ティアナ「……う……ぁ…………」
ライの言葉にティアナは言葉を返せない。ライの言葉で冷静になった頭が理解したのだ自分の浅慮さを。
返事をできないティアナから視線を外すと同時にライは蒼月を待機状態に戻し隊長陣の方に向き直る。その時ライを正面から見た隊長陣は反射的にライに攻撃しなかった自分を褒めてやりたくなるほど理性を働かせていた。
ライ「ナイトメアの方の迎撃には私が赴く。援護は不要。邪魔になる。」
なのは「え?あ、でも――」
ライ「模擬戦で使用した魔法は使わん。そちらが考えているとおり、今までと同じ手段で敵を殲滅する。手の内は明かさん。」
なのはとフェイトはその言葉に驚いた。はやてと話し合った内容を知っている筈のないライがまるで聞いていたようにこちらの考えを把握していたのだから。
それだけ言うとライは殺気だけを解きヘリの中に乗り込んだ。
ライの姿が見えなくなると隊長陣はハッとして動き出し、シグナム以外はヘリに乗り込む。それ以外のメンバーは糸の切れた人形のようにその場に座り込む。さらにフリードは怯え、キャロに至っては気絶している。
その光景を見たシグナムはそれも仕方ないと思う。それほどライの覇気と殺気は常軌を逸していた。それは本物の戦場でも感じることが難しいレベルであったのだ。
そんなことを考えている背後でヘリは離陸する。それを見送りながらシグナムは呟く。
シグナム「……ランペルージ、お前は何者だ?」
その答えを知るのは現時点で本人とその相棒だけであった。
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