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セビーリアの理髪師
18部分:第二幕その二
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。全ては予定通りである。バルトロもロジーナの名が出るとついつい身を乗り出してしまった。
「ロジーナだと」
「そうです、ロジーナさんです」
 彼はまた答える。
「あの方のことですが」
「何かあったのか!?」
「いえ、些細なことです」
 バルトロが乗ってきたのを見ながら笑みを隠して言う。
「実に些細なことなので言おうか言うまいか考えていたのですが」
「是非言ってくれ」
 バルトロは本当に身を乗り出して言った。
「ロジーナのことを。さあ」
「それでは。宜しいのですね」
「無論」
 また答える。
「早く、今すぐに」
「わかりました。実はですね」
「うむ」
 身を乗り出したまま伯爵が化けているその音楽教師の話を聞くのだった。完全に彼の術中に陥っているとも知らずに。完全に伯爵の勝ちであった。

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