第九十話 巫女の秘密
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。
「あんた達ってどうしてロンド=ベルに密航したのかしらね」
「あっ、そういえば」
「そこがな」
「気になってたけれど」
「そうそう」
皆もここで言う。
「どうしてなんですか?それは」
「一体何故俺達のとこに」
「何でなんだろうな」
「敵地にわざわざ」
「それは」
アルマナは周囲の言葉に圧されだった。そうしてだった。
言おうとする。しかし。
「・・・・・・・・・」
「言えないかしら」
そう思っても。セレーナの今の態度は穏やかだった。
「だったら別にいいけれど」
「自由が」
だが、だった。ここでアルマナは意を決した顔で答えてきた。
「それが」
「自由が?」
「自由が欲しかったんです」
こう話すのだった。
「それが」
「自由って」
「ええ、だから」
「姫様」
またルリアが止めようとする。
「それ以上は」
「いえ、ルリア」
しかしだった。アルマナは今はもう既に覚悟を決めていた。それならばだった。
「もうここは」
「お話されますか」
「ええ、そうします」
こう言ってだった。ロンド=ベルの面々と向かい合った。そのうえでだった。
「セレーナ」
「ええ」
「私はです」
ここから話すのだった。
「私は本星にいる時には」
「お姫様だったのよね」
「帝都の一室から外へ出ることは許されませんでした」
「けれどそれは」
セレーナはすぐに返した。
「あんたが身分の高い人間であるからでしょ」
「いいえ」
だが。アルマナはここで首を横に振るのだった。そのうえで話すのだった。
「確かに私はゼ=バルマリィ帝国十二支族に通ずる出自ですが」
「そうよね」
「私が姫と呼ばれるのは」
「十二支族だけじゃなくて?」
「神体ズフィルードに捧げられる身であるからです」
「ズフィルード」
それを聞いたヴィレッタの眉がぴくりと動いた。そのうえでアルマナを見ながら呟く。
「この少女が創世神ズフィルードの巫女」
「捧げられるって」
「それじゃあ」
「生贄!?」
「つまりは」
「十七歳の誕生日を迎えた日」
アルマナの話は続く。
「私の身体は」
「生贄だからこの場合は」
「だよなあ」
「そのズフィルードに?」
「そうなるよな」
「その通りです」
アルマナはロンド=ベルの面々の言葉にこくりと頷く。
「そしてその精神は」
「どうなるの?」
「それで」
「その精神は」
「永遠の生命を得ます」
そうなるというのだ。
「私は」
「けれど生贄だよなあ」
「どう見てもな」
「今だにそんな話があったなんて」
「何か」
「口を慎んでもらいたい」
ルリアは動揺する彼等に強い言葉をかけた。
「ズフィルードの巫女に選ばれることはだ」
「意味が
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