第八十三話 失われる闘志
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河の決断も一つしかなかった。
「我々の長い旅の目的地はここなのだからな」
「それじゃあ今は」
「降下ですね」
「今から」
「そうだ、そうする」
こうしてだった。彼等は降下するのだった。そうしてだった。
降下するとやはりそこは地球と同じ地図だった。しかもだ。
調べてみてだ。そしてわかったことは。
「地表各地の映像を分析しましたが」
「どうなんだ、それで」
「同じです」
ボルフォッグはこう凱に答える。
「色素の低下以外は地球と全く同じものです」
「どういうことなんだ」
凱もまたこう言うしかなかった。
「地球と同じなんてことがある筈がない」
「そうだよな、それはな」
ゴルディマーグもそれを言う。
「有り得ないぜ、それって」
「しかもだ」
凱はここでさらに言う。
「どうしてパピヨンが」
「お待ちしておりました」
そのパピヨンが一同のところに来て言ってきた。
「ロンド=ベルの皆さん」
「パピヨン・・・・・・」
ルネがその彼女を複雑な顔で見ている。
「あんた本当に」
「なあ、確かな」
ジュドーもいぶかしむ顔だった。
「死んだよな、あの人」
「忘れていないな」
「そんなこと有り得ませんよ」
ジュドーはすぐにカミーユに言い返す。
「人が死んで。忘れられる筈がない」
「確かにあの時に死んでいる」
「間違いない」
アポリーとロベルトもそれを言う。
「あの男の子。護君だったな」
「彼の偽者が現れた時にだ」
「ではあの人は」
カミーユは警戒する顔になっている。
「一体。何だというんだ」
「パピヨン」
凱もまた警戒する顔だった。
「君は護と同じ」
「ええ」
何とだ。パピヨンは頷いてきたのだった。
そしてだ。彼女はあらためて言うのだった。
「その通りです」
「そんな」
「まさか」
「それって」
「この星全体が」
「そうだっていうんですか」
「私も」
パピヨンはまた言ってきた。
「この星も」
「この星も?」
「つまりそれって」
「やっぱり」
「はい、偽物です」
この星もだというのだ。
「複製された」
「レプリジンか」
大河はここまで聞いて険しい顔になった。
「それだな」
「おい、もう何だってんだよ」
火麻はたまりかねた声で言った。
「ちんぷんかんぷんだぜ」
「この地球全部が」
ルネは今は険しい顔になっている。
「そうだっていうんだね」
「護君のお父さんのレプリジンは」
命がその時のことを思い出して話す。
「ソール十一遊星主の手先だったわよね」
「それじゃあ」
「この星も」
「まさか」
「全てはです」
また話すパピヨンだった。
「パスキューマシンが発動してしまったことが原因なのです」
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