第八十二話 相応しい末路
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第八十二話 相応しい末路
ル=カインはだ。ゲートの傍にいた。そしてそこでだ、
己の傍にいるカルラに対して問うのだった。
「戦力はどの程度だ」
「はい、ここに来られた戦力はです」
「うむ、どの程度だ」
「一万程度です」
それ位だというのだ。
「あの戦いで八割を失いましたが」
「それでさらにか」
「脱落者が出ました」
カルラはこう話す。
「それでこれだけです」
「そうか。では仕方がないな」
「仕方ありませんか」
「この状況ではな」
現状を踏まえての言葉だった。
「致し方ない」
「左様ですか」
「それではだ」
ル=カインはあらためて言った。
「その残った一万の将兵達に告げるのだ」
「何とでしょうか」
「我等はどちらにしても処刑が待っている」
これまでのグラドス軍での一連の罪によってである。
「最早生きる道はない」
「戦う以外にはですか」
「あの者達を退け。そして」
「そして」
「ゲートを使い逃げ延びる」
これがル=カインの今の考えだった。
「わかったな」
「そして太陽系の何処かの惑星を占拠して」
「そこを拠点にしたまた一度だ」
「そうですね。今はそれしかありませんね」
「では。いいな」
「はい、わかりました」
カルラは機体の中で敬礼をして応えた。彼等も最後の戦いの決意をしていた。
その彼等がいるゲートにだ。ロンド=ベルは確実に向かっていた。
その時だった。サンドマンが言うのだった。
「ゲートだが」
「はい」
「あのゲートですね」
「あそこが何か」
「おそらくだ」
彼はメイド達の言葉に応えて話すのだった。
「彼等はいざとなればあのゲートから脱出する」
「それで太陽系に逃れる」
「そうする可能性がありますか」
「やはり」
「間違いなくそうする」
サンドマンは断言さえした。
「生き残る為にな」
「ではゲートは」
「どうしましょうか」
「それを防ぐ為には」
「止むを得ないがだ」
ここでサンドマンはまた言った。
「彼等を逃す訳にはいかない」
「それじゃあですね」
「今は」
「それは」
「そうだ、ゲートを破壊するしかない」
こう言うのであった。
「仕方ないことだ」
「そうですね。それは」
「やっぱり」
「グラドス軍が太陽系に出て拠点を築かれると」
「話が複雑になる」
サンドマンは話した。
「だからだ。ここはだ」
「わかりました」
「それなら」
「まずはゲートを」
「諸君、それでいいだろうか」
サンドマンはロンド=ベルの仲間達に問うた。
「ここはだ」
「そうだよな。今はな」
「あの連中を太陽系に行かせたらそれこそ」
「何処かの星を占領されてそこからまた戦争を
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