第八十二話 相応しい末路
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思い詰めた顔で話した。
「そうならざるを得ない」
「それではですね」
「それではか」
「これはどうでしょうか」
こう言ってだ。エイジはあるものを出してきた。それは。
数枚の札だった。細く薄く小さい。銀紙に包まれたその数枚の札をゲイルの前に差し出してだ。あらためて言うのであった。
「噛んでみますか」
「噛むものか」
「はい、どうでしょうか」
またゲイルに問うたエイジだった。
「これを噛まれますか」
「何だこれは」
「ガムです」
エイジはそれだというのである。
「地球の食べ物です」
「ガムか」
「紙から取り出して」
実際に出してみせるエイジだった。中からコーヒー色の板が出て来た。
「これをですね」
「食べるのか」
「いえ、噛みます」
そうするというのである。
「噛んでそれで甘さを味わうんです」
「飲み込まないのだな」
「はい、噛み続けます」
あくまでそうするというのである。
「それがこのガムなんです」
「面白いものだな」
「地球にあるお菓子の一つで」
「成程な」
「どうですか、それで」
「貰おうか」
こう答えたゲイルだった。
「それではな」
「はい、それじゃあ」
ゲイルはそのガムをエイジから受け取って口の中に入れる。エイジもそうした。そのうえでそれぞれそのガムを噛んでみるとだった。
ゲイルがまず言った。
「ふむ。これは」
「どうですか?」
「いいものだな」
目を細めさせての言葉だった。
「実にな」
「気に入ってくれましたね」
「地球のものはどれも美味いな」
今度はこう言う彼だった。
「このガムは特にだ」
「特にですか」
「いい」6
また言ったのだった。
「緊張もほぐれるしな」
「眠気醒ましにもいいですよ」
「そうだな。噛んでいればそれで眠気が取れるな」
「その為のガムもありますし」
「そうか。それではだ」
「このガムを噛んで」
「戦いに向かうか」
「そうしましょう」
こんな話をしていたのだった。そうしてだった。
ゲイルの軍がだ。ゲートに向かうのだった。それを見てだった。
ル=カインはだ。すぐに決断を下した。
「それではだ」
「はい」
カルラが応える。
「ゲートを守りそしてだ」
「あの愚か者達をですね」
「一人残らず倒す」
こう返すル=カインだった。
「わかったな」
「わかっています。それでは」
「全軍迎撃用意」
ル=カインは指示を出した。
「そのうえでゲートを守るぞ」
「わかりました」
「それでは」
部下達が応えてだった。そのうえでだった。
ゲイルの軍とル=カインの軍が衝突する。ゲートの前でだ。
「ゲートを守れ!」
「ここは何としてもだ」
「いいな!」
こうル=
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