第八十一話 ゲート前での決戦
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らね」
「それで、ですね」
「そうだよ。グラドス人には善人もいれば悪人もある」
またそのことを話す万丈だった。
「そういうことをね」
「わかりました」
エイジの言葉がはっきりとしたものになった。
「それじゃあ」
「さて、それでだけれど」
「それで」
「これからはね」
万丈の話が変わってきた。
「ゲートに向かうけれど」
「はい、ゲートに」
「とりあえず時間は少しあるよ」
「少しですね」
「そう、少しね」
あるというのである。
「それでだけれど」
「何かあるのですか」
「お酒は飲めないけれどね」
それは断る万丈だった。
「けれど戦いの前に」
「何かありますか」
「どうかな。ギャリソンの料理でも」
これが万丈の提案だった。
「今お菓子を作ってるけれどね」
「お菓子ですか」
「ケーキを作ってるんだ」
万丈は微笑んで話した。
「そう、チョコレートケーキをね」
「あっ、チョコレートですか」
それを聞いてエイジの顔が晴れやかになった。
「それはいいですね」
「チョコレートケーキは好きかい?」
「実は」
その通りだというのだった。
「ですから」
「そう。それでね」
「はい、それで」
「チョコレートケーキに」
他にもあるというのだ。
「コーヒーもあるよ」
「いいですね」
コーヒーと聞いてだ。エイジはさらに笑顔になった。
「それはさらに」
「コーヒーも好きなんだね」
「実は地球に来て」
そこからの話だった。
「その二つを最初に食べまして」
「思い出の味ってことかい」
「はい、ですから」
「成程ね」
「グラドスにはない味でした」
こうまで言うエイジだった。
「いや、本当に」
「グラドスにはケーキはないのかい?」
「残念ですが」
そうだというのである。
「それはありません」
「そういえばグラドスの食文化は」
万丈はこんなことも考えるのだった。
「どうなっているのかな」
「一番近いのはです」
「近いのは?」
「イギリスの料理です」
この話が出た。
「あれが一番近いです」
「それは酷いね」
それを聞いた万丈の言葉だ。
「とても」
「はい、地球に来てです」
「美味しいものを知ったんだね」
「味は塩とお酢だけで」
エイジはそのグラドス料理についての話を開始した。
「肉は黒焦げ、何もかもどろどろに煮て」
「そのままイギリス料理だね」
「味がありません」
そこが問題なのだった。
「本当に」
「あまり食べたくないね」
「はい、それで地球の味を知って」
「それにのめり込んだんだね」
「そこでイギリスの料理を食べました」
そこからあらためてなのだった。
「懐かしいでした」
「懐かしかったんだ
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