第七十九話 グラドスの聖女
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こう言ってだった。合体型の一機に突っ込んでだった。
上から下にその剣を振り下ろす。それで真っ二つにしてみせたのだ。
それを見てだ。驚いたのはグラドス軍だった。
「な、何っ!」
「宇宙怪獣の中でも最も強力なあれをか」
「一撃でだと」
「何という強さだ」
「あれっ、何かおかしいか?」
だが剣人は素っ気無い顔で彼等に返すのだった。
「こんなこと普通だろ」
「そうだな」
弾児も話す。
「いつもしていることだな」
「いつもだと」
「あれだけ巨大な相手を真っ二つにするのもか」
「いつものことだというのか」
「それがロンド=ベルか」
「地球人の力なのか」
「やはりだ」
そしてだった。ゲイルも言うのだった。
「ロンド=ベル、そして地球人はだ」
「恐ろしい力を持っている」
「そういうことですね」
「彼等は決して劣ってはいない」
それを言うのだった。
「そして決して野蛮でも無知蒙昧でもない」
「そうですね。確かに」
「だからこそ彼等は今戦っていますね」
「グラドスの為に」
「我々はそれに気付いていなかったのだ」
ゲイルの言葉にだ。暗いものが宿っていた。
「地球人のな。そのことにな」
「ええ、確かに」
「それがわかりました」
「ようやく」
「間違っていた」
こうも言うゲイルだった。
「我々はな」
「はい、それではですね」
「今から我々も」
「考えをあらためて」
「ジュリアは正しかった」
ゲイルはまた言った。
「まことにな」
「そうなりますね」
「やはりジュリア様はわかっておられたのですか」
「全て」
「私が白い烏だとする」
ロジャーに言われたそのことを自分でも言うのだった。
「ならばジュリアは」
「はい、あの方は」
「何になるでしょうか」
「黄金の翼だ」
それだというのであった。
「彼女は黄金の翼だ」
「そうだというのですね」
「あの方は」
「翼だと」
「そうだ、黄金の翼だ」
そしてだ。ゲイルはそれが何なのかも話すのだった。黄金の翼がだ。
「グラドスを正しく導くな」
「ではそれによってですね」
「我等グラドスは生まれ変わる」
「これから」
「だからこそ戦おう」
ゲイルは自ら向かうのだった。その敵の大軍にだ。
「行くぞ」
「はい、それでは」
「今から」
こうしてだった。彼等もまた戦う。その宇宙怪獣の大軍とだ。
その彼等を見てだ。トビアが言う。
「信じられませんね」
「そうだな」
シーブックがその彼のその言葉に頷く。
「俺達とグラドスがこうして共闘するなんてな」
「そうですよね。まさかこんなことになるなんて」
「ただ」
「ただ?」
「これは必然なんだろうな」
シーブックはここでこう言うの
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