第七十七話 バルマーの巫女
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業をやっていたがな」
「そちらにも縁のある方がおられますね」
「確かにな」
また頷くルリアだった。
「今度は電車か」
「服の方にはおられませんでしたね」
「そうだな、いなかったな」
そちらにはなのだった。
「だが。いい話だった」
「ええ、確かに」
「では。ここはだ」
「どちらにされますか」
「どちらとも観る」
両方をだというのだ。
「別にそれで構わないな」
「はい、どうぞ」
ルリは特に反対しなかった。
「私は特に何も言いません」
「しかしテレビはな」
アキト達がアニメを楽しそうに観ている。それではなのだった。
「他のもので観るか」
「パソコンを使われますか?」
「使っていいのか」
「どうぞ」
勧めさえするルリだった。
「何ならお貸ししますが」
「いや、それはいい」
「持たれていますか」
「それ位持っている」
そうだというのであった。
「だからだ。それはいい」
「わかりました。それでは」
「しかしな」
「しかしとは」
「本当に寛容なのか油断しているのか」
考える顔になっての言葉だった。
「どちらなのだ」
「どちらでもお好きな方を選んで下さい」
「油断だと捉えてもいいのか」
「はい」
その通りだというのであった。
「どうぞです」
「そうか。それではだ」
「どちらにされますか?」
「寛容なのだな」
そちらを選んだルリアだった。
「やはり」
「そう思われますね」
「ああ」
「確かにそうですね」
それを自分でも認めるルリだった。
「それは」
「自覚しているのか」
「常識で考えてです」
ルリはここから話すのだった。
「こんなことは有り得ません」
「そうだ、とてもだ」
「しかしそれがロンド=ベルなのです」
「貴殿等というのか」
「そうです。私も含めて」
そしてだった。ルリは言った。
「馬鹿な人達ばかりですから」
「馬鹿だからか」
「馬鹿だから。そうしています」
「褒められたものではないと思うが」
「しかし。だからこそ」
「言いたいことはわかった」
ルリアも話を聞いていてだ。察したのである。
「だからこそここまで来られたのだな」
「何とかですか」
「言われてみればそうか」
ルリアもここで頷いた。
「貴殿等にはバルマーはだ」
「はい」
「敗れ続けている」
言うのはこのことだった。
「それは何故かと私なりに考えていたがだ」
「私達が馬鹿だからだというのですね」
「そうだな。それだけに一途だ」
そのことにも気付いたルリアだった。
「だからこそだな」
「皆さん、本当に素晴しいことを果たされてきています」
「素晴しいことをか」
「誰もが見届けたくなる愛も」
一矢とエリカのことだった。
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