第百十四話 幕臣への俸禄その五
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」
「お母上の」
「はい、そうしました」
「羽柴殿の為ではないのですか」
「いや、殿が気を利かせて下さいまして」
信長がだというのだ。
「それで女ものの柄の錦を下さったのです」
「そしてその錦で」
「はい、母上の服を作らせました」
そうしたというのだ。
「是非にと思いまして」
「それはよいことですな」
「母上にはずっと苦労や心配をかけましたから」
だからだと笑って答える秀吉だった。
「これも当然でございます」
「ですか。実はそれがしも錦を頂きました」
明智もだった。彼は羽柴にこのことを笑って話す。
「それも女ものの錦をです」
「ではその錦を」
「はい」
まさにそうだというのだ。
「母上の為に仕立てます。そのうえで」
「奥方にもですな」
「母上にも女房にも苦労をかけてきました」
明智は己のこれまでのことも思い出しながら言った。
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