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戦国異伝
第百十四話 幕臣への俸禄その三
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」 
 浪人だった頃もあれば中々認められなかった。しかしそれが十万石を貰いようやく晴れてきたというのだ。
 その晴れたものを見ながら母に言うのである。
「しかしそれも終わりですので」
「ではそなたは」
「私は?」
「側室を貰うのですか?」
 この時代少し身分があれば側室を貰うことも普通だ。実際に武田信玄なぞは結構な数の側室がいる。彼はそれに留まらず小姓も傍に置いている。
「そうされるのですか?」
「いえ、それはしません」
 明智は微笑んでそれは否定した。
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